貯蓄

【あなたは大丈夫?】お金の詐欺に騙される人の共通点

昔、筆者は「詐欺まがいの投資商品」を勧められたことがあります。面白半分で彼らの話を聞いてみると、どんな人をターゲットにしているのかが見えてきました。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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大事なお金を失わないために、知っておきたいこと

昔、筆者は大勢集まる場所で「詐欺まがいの投資商品」を勧められたことがあります。面白半分で彼らの話を聞いてみると、彼らは、以下の3点に当てはまる人をターゲットにしているように感じました。

◯経験や知識が乏しいが、根拠のない自信を持つ人
◯プライドが高く、自分のことを「特別な人間である」と考えている
◯不自由な暮らしに不満を抱え、「自分の人生はこんなものじゃない」と考えている


彼らは、以上のような点を満たすターゲットを見つけると、「あなたは賢くて特別だから」「賢いあなたにだけ、秘密の投資法を教えよう」「もう、いまの不自由な暮らしを我慢する必要はない」と甘く囁きかけることで、巧みに誘っていました。
詐欺師がターゲットにするのは、どんな人?

詐欺師がターゲットにするのは、どんな人?

筆者をこの場所に誘った人物はやけに羽振りがよかったです。おそらくこの3点の特徴に当てはまる人物は、成約率が高いのでしょう。面白いもので、この手口では「学歴の高い人」ほど、多く引っかかっていたように見えました。おそらく、なまじ学歴があるだけに、「自分は賢い=騙されるはずがない」という、根拠のない思い込みをしやすいのかもしれません。

日本経済新聞(1)によると「金融リテラシーが低いのに、金融リテラシーに関して自信過剰な人」ほど、お金の詐欺に騙されやすいそうです。

これは、車の運転で例えるならば、「ペーパードライバーで車をほとんど運転した経験がないにもかかわらず、『自分は車の運転がうまい』と思い込んでいる人」ほど、事故を起こしやすいということでしょう。なんとなく、理解できる内容でした。

お金の知識にかぎらず、私たちは「能力が低い人にかぎって、自分の能力を過大評価しがち」という心理的な傾向があります。この心理的な傾向を「ダニング・クルーガー効果」といいます。この傾向は、アメリカ人などの個人主義思想が強い人ほど、強く表れるみたいです。

では、このような詐欺に遭わないためには、私たちは何に気をつけるべきでしょうか?

何よりも大事なのは「秘密」「内緒」と言われたときほど怪しいと知ること。できるだけ、第三者に相談することです。

この手の金融詐欺では、「賢いあなたにだけ、秘密の投資法を教えよう」「あなただけにしか教えない特別な案件だから、外部には漏らさないでほしい」といった言葉で、第三者とのコミュニケーションを断たせるような誘い方をします。

なぜ、そんな誘い方をするかというと、第三者に相談されると、その誰かに止められて、詐欺がおじゃんになる可能性が高いからです。

だからこそ、「あなたと私だけの秘密」といった話が出てきた時点で、いかにもうさんくさいと考えるべきです。また、第三者に相談するなどして、自分ひとりで暴走しないように、誰かに冷静になる手助けをしてもらうのもよいでしょう。

投資詐欺は、日に日に巧妙になっています。「自分は大丈夫」と高をくくらず、「明日は我が身」と気をつけるのが大切です。

・参考文献

新聞記事(1)日本経済新聞 2023年5月19日「金融リテラシー、「自信過剰」こそリスク」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1012O0Q3A510C2000000/

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