頑張りすぎて「燃え尽き症候群」に……
まずは、心と体を休めよう
「燃え尽き症候群」は、ストレスが要因だといわれています。日本人は「頑張るのはいいこと」だと思いがちですが、限度はあるものです。「頑張り過ぎること」は、いいことではありません。「燃え尽き症候群」になってしまった人は、「頑張り過ぎてしまった」わけですが、それは言い換えれば「無理をし過ぎてしまった」「自分をいじめ過ぎた」ということでもあります。
私たちが幸せに生きていくためには「自分の心と体を大切にする」必要があります。そのことをきちんと理解し、「燃え尽き症候群」になってしまったときには意図してきちんと休むようにしましょう。
社会人は「体調管理」も仕事のうち。安請け合いをしないことも重要
社会人になると、「体調管理も仕事のうち」だといわれます。つまり、自己管理をする必要が出てくるのです。そのためにも、「自分のことをよく知ること」「自分の限度を理解すること」、そして「日頃から自分の心身の声を聞くこと」が重要となります。例えば、上司からのむちゃぶりに対応できそうにないときは、安請け合いしないことが大切です。そのときは、ただ「できない」と言うのではなく、例えば「その作業は、自分がやるとこれだけの時間を必要とするため、これ以上残業時間が増えると、体力的に自信がありません」など、相手も納得できるような理由を説明しましょう。さらに「期限を3日間延ばしてくれるのであればできます」など、何かしらの提案ができるとよりいいですね。
たとえ上司に「仕事ができない人だ」と判断されたとしても、長い目で見たら「自分の能力以上の仕事をやらされる」よりいいかもしれません。なぜなら、一般的に会社で長く働き続ける人は、無理をし過ぎない人が多いから。一方で、どんなに仕事ができても、心身を壊して辞めていく人は意外と多いものです。
なにより、本来上司は部下の能力や資質を見ながら仕事を振るものであり、それができない上司は能力的に問題があります。もちろん上司に対して「あなたには問題がありますよ」なんて言わないほうがいいですが、あまりにむちゃぶりばかりしてくる場合は、人事部やさらに上の上司などに相談してみるといいでしょう。
場合によっては、医療機関を受診したほうがいいことも
「燃え尽き症候群」の症状が重いときは、医療機関を受診しましょう。それは、恥ずかしいことでもなんでもありません。もしうつ病など「精神疾患の兆候が出ている」と診断されたときは、しっかり休みましょう。会社があなたを休ませなかったら、責任を問われることにもなるのです。たとえ「精神疾患の兆候が出ている」と診断されなかったとしても、少なくとも自分が「会社の環境に合っていない」ことだけでも分かる可能性があります。「長期的に見た幸せ」を目指し、今のうちからもっと自分に合う環境を見つけたほうがいい場合もあるでしょう。
「燃え尽き症候群」を予防できる人になるには
職場を変えても、また「燃え尽き症候群」になってしまう人もいるかもしれません。そういう人は、「自分自身を変える」必要があります。例えば、
・自分を内観する習慣を持ち、オーバーワークのときはその事態に気付けるようになること
・仕事のオン、オフをはっきりはっきり区別して、仕事をしていない時間はできるだけリラックスすること(※オフの日は仕事のメールを見ない)
・職場で相談できる人を探しておくこと
などが大切です。
頑張り過ぎて心身を壊してしまったら辛いですし、それで会社を辞めることになってしまったら、自分自身が損した気持ちにだってなるかもしれません。だからこそ、常に自分の心と体の声を聞き、自己を守り、楽しく仕事ができるように心がけたいですね。