「従来の健康保険証」と「マイナ保険証」を提示した場合の診療報酬比較!
本記事では従来と新制度の診療報酬を比較しながら、マイナ保険証利用のお得度を紹介していきます。
医療機関の窓口で「従来の健康保険証」と「マイナ保険証」を提示した場合の診療報酬比較!
はじめに、医療機関の窓口にて従来の健康保険証を提示した場合と、マイナ保険証を提示した場合では診療報酬が異なることを理解しておきましょう。2023年3月までは、従来の健康保険証を提示すると初診時は40円(3割負担で12円)、再診時は0円。一方、マイナ保険証を提示すると初診時は20円(3割負担で6円)、再診時は0円でした。 初診時はマイナ保険証を提示するほうが6円安く設定されていました。診療報酬に差が発生することを知らなかった人も多いのではないでしょうか。
この差が2023年4月以降は「加算の特例措置」期間としてさらに大きくなります。従来の健康保険証を提示した場合、初診・再診時ともに20円(3割負担で6円)ずつアップする一方、マイナ保険証を提示した場合の診療報酬は据置かれます。
つまり、3割負担の場合、従来の健康保険証とマイナ保険証では初診時に12円、再診時に6円もの価格差が発生します。マイナ保険証を持たない人にとっては、さらなる負担増となります。
薬局でもマイナ保険証を提示したほうがお得!
医療機関だけでなく薬局でもマイナ保険証を提示したほうがお得です。2023年4月より、3割負担の場合、従来の健康保険証を提示すると診療報酬に12円が加算されますが、マイナ保険証を提示すると3円の診療報酬加算で済みます。このようにやはり薬局でも、従来の健康保険証とマイナ保険証を提示した場合の価格差は9円と大きいです。診療報酬に差が出るのは、マイナ保険証を読み取るための機械(オンライン資格確認)を導入している医療機関や薬局を利用した場合です。オンライン資格確認を導入していない医療機関や薬局では、どちらの保険証を提示しても診療報酬に差はありません。ただし、政府は2023年4月よりオンライン資格確認の導入を義務付けたため、今後はほぼすべての医療機関や薬局でマイナ保険証を利用できるようになり、診療報酬の差が発生するでしょう。
また、マイナ保険証の普及と並行して、政府は2024年秋に従来の健康保険証の廃止を目指しています。マイナ保険証に移行したくない人は「資格確認書」が発行される見通しです。発行手数料は無料、有効期限は発行から5年になる見通しで、期限が切れた際に従来の健康保険証のように自動更新されるかは未定です。発行や更新に手間がかかるとすれば、マイナ保険証を利用したほうが便利かもしれません。
上記の診療報酬の差を考慮すると、マイナンバーカードの保険証利用の手続きを行っていない人はいち早く進めたほうがよいでしょう。わずか数円の差でも、積み重なれば大きな額となります。今後、医療機関を受診する際はマイナ保険証の持参を忘れないようにしたいですね。
(監修:酒井富士子/経済ジャーナリスト・オールアバウトマネーガイド)