罪なツボ
その肉体で足のしびれた参列者たちを救い、退屈する小学生を助けてくれるお坊さんたち。ああ、それなのに。聞きなれないお坊さんの読経がツボにハマってしまう人もいるのです。
「身内のお通夜の席で、住職のお経が独特すぎて思わず笑いが出てしまい、果てはツボにハマりブフッブフッと笑ってしまいました(30代・女性)」
お葬式で笑うなんてとんでもないということくらいは、もちろんみんなわかっています。でも、強く思えば思うほど、これまた逆効果なこともありまして、たいしたことないのにツボにハマったりしてしまうのも、またお葬式です。
「親戚のお葬式でお線香をあげる列に並んでいたとき、数珠に付いているボンボンが抜け落ちていることに気付いて横にいた兄に抜け落ちるところを見せたら、なぜか彼のツボにハマってしまい、堪え切れずに笑ってしまったのです。私としては『困った!どうしよう!』と相談の意味で見せただけだったのに……。それが、まさかのツボだとは。本当に相談する相手を間違えたなと後悔しました(20代・女性)」
「中学生くらいのときに親戚の葬儀に参列したのですが、目の前に座る見知らぬおじさんのカツラがずれており、少し地肌が見えていました。笑ってはいけないことだし、笑ってはいけない場面だしですごく苦しかったです。今でも、教えてあげた方が良かったのか、でも正面から見てしまったらどうなっていたかと考えることがあります(20代・女性)」
最後に、子どもたちが笑ってしまった状況なのですが、なんだか心があたたまるようなエピソードをご紹介しましょう。
「息子の学校の先生が急死されたときのことです。お坊さんがお経を読んでいる間、参列した子どもたち、保護者のみんなが故人を偲び悲しみに暮れていましたが、突然お坊さんが『うんころころころ、うんころころ』と聞こえるお経を唱え出しました。子どもたちは笑いを必死に堪えていましたが、ざわつく子もいて、保護者たちはすごくハラハラしました……。ユーモアのある先生だったので、子どもたちへの最後のプレゼントだったのかもと思っています(50代・女性)」
おそらくそれは、薬師如来の真言「オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ」の一部だったのではないかと思われますが、子どもたちには楽しいフレーズに聞こえてしまいますね。まさに、先生からの贈り物、「あんまり悲しんでくれるなよ」という優しいメッセージだったのかもしれません。子どもたちが笑う姿に、お坊さんも仏さまもほほえましく感じてくれたのではないでしょうか。
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