お坊さんもなかなか大変である
お葬式といえば、故人のためにお経を上げ、儀式を取り仕切ってくれるお坊さんは頼りになる存在です。そんなお坊さんに、次々とトラブルが降りかかります。「お坊さんが読経してくれた後、父が立ち上がろうとしましたが、足がしびれていたせいで、前のお坊さんの頭をガシッとつかんでしまいました(40代・男性)」
「ずっと正座をしていたため足がしびれて、ご焼香の時に立ち上がることができず、お坊さんに突進してしまいました。読経が一旦中止に……(30代・女性)」
「ある会社関係のお葬式で、親族の大学生ぐらいの方がご焼香をするため立ち上がった時、かなり足がしびれてふらついているのがわかりました。ヨロヨロと歩き、読経しているお坊さんの隣まで来たときに、ついにバランスを崩して、こともあろうに住職にエルボードロップをくらわせてしまいました。一瞬、その場が凍りつきましたが、そこかしこでひそやかな失笑が起こりました。無理に正座するのは危険だと思い知らされました……(50代・男性)」
お坊さん、ごめんなさい! 全ては足のしびれのせいなんです! お坊さんはお葬式を支えてくれる存在ですが、足がしびれてよろめいたときにつかまるための“支え”ではないと、心に刻みます。参列者の方も、お坊さんもケガがないといいのですが!
そして、お坊さんはこんなこともしてくれます。
「長男がまだ小学生の頃、お経が長く耐えきれなくなったようで『もっと早く唱えて!』と言ってしまいました。お坊さんは気を悪くするどころか、マッハのスピードでお経を読み上げてくれました(50代・女性)」
黄泉の国の故人も、小さな子どものお願いならばお許しくださるでしょう。ある意味、このお坊さんは息子さんにとってのヒーローですね。
そして、ヒーローはさっそうとお葬式に現れます。
「祖父の葬式に町内のお寺からも住職さんがご焼香に来てくださったのですが、マイ香を持ってお越しになりました。それを、香炉の炭の上に散らした瞬間、一瞬だけものすごい炎が上がりました(30代・女性)」
魔法のような焼香をして、現場を去っていくのでありました……。
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