早漏とはどのような状態?
国際性医学会(ISSM)では「性行為時に『毎回』もしくは『ほぼ毎回』挿入前または挿入後1分以内に射精してしまうこと。また射精を上手くコントロールできないことでの苦痛や悩み、不満を感じ性的行為を避ける症状」と定義していますが、特に早漏を考える上で重要なのは「希望挿入時間と実際の射精時間の差」です。
ところが、その「希望時間」は、当然人によって異なります。また、女性側が考える「希望時間」も考える必要がありますので、一概に「1分以内や3分以内であれば早漏」のように定義することは難しい部分もあります。
実際の「希望挿入時間」「早漏と感じる時間」はどれくらい?
では、日本人男女が適正と考えている「希望挿入時間」はどれくらいなのでしょうか?2019年11月にガイドのクリニック(浜松町第一クリニック)が行った「日本のED(勃起不全)有病者数調査2019」(対象:全国の20~79歳[5歳階級別] 男性 合計2,000名)では、男性の希望時間として一番多いのが「10分」次いで「15分」という結果が出ており、成人男性が思う挿入時の適正時間は「10~15分」ということがわかりました。
同じくガイドのクリニックが2022年1月に行った調査「中折れや治療薬に対する男女の「ホンネ」実態調査」(対象:全国の20代~50代の男女 各650名[10歳階級] 合計5,200名)をもとにした記事「早漏は何分から?理想的な性行為の頻度は?男女の『ホンネ』調査から見えたもの」でご紹介した調査結果も振り返ってみましょう。
まず「理想的な挿入時間」について聞いたところ、男性は10~15分、女性は5~10分という回答が最も多く、男性については2019年の調査と同様ですが、男女で違いがあることがわかります。また、この調査では「5分以内」と答えた女性が男性の3倍いることがわかるなど、年齢を重ねるごとに男性はより長く、女性はより短く考える傾向があることも見えてきました。
さらに、「早漏だと感じるのは挿入から射精まで何分くらいか」という質問には、男女ともに「1~3分未満」を最も多くの男女が選択。特に女性のうち約85%が「5分未満」と回答しており、実際に早漏かどうかの境目は「3~5分」程度と考えてもよいかもしれません。
早漏とEDに因果関係はあるのか?
前ブロックでご紹介した「日本のED(勃起不全)有病者数調査2019」では、EDと早漏の関係性を調べるため、日本人男性2000人を対象に自身のEDの進行度別に「早漏だと思う」「どちらかといえば早漏だと思う」「標準だと思う」「どちらかといえば遅漏だと思う」「遅漏だと思う」の5段階で自身の早漏レベルを回答してもらいました。その結果、全体(20~79歳)で見ると、わずかの差ながら、EDではない人よりも中程度以上のEDの人の方が、自身について「早漏だ」と感じていることがわかりました。
さらにその中でも差異が顕著だったのが50代以上です。50代以上で中程度ED、もしくは完全EDの人の場合、自身について「早漏だと思う」と答えた人の割合は、EDではない人に比べて2.5倍以上の差があることが見えてきたのです。 さらに、「標準と思う性行為の長さ」をEDの進行度別に同じく50歳以上の男性に聞いたところ、早漏の人の方が、標準と思う性行為の長さが短い傾向にあることがわかりました。つまり、50歳以上で中等度以上のEDに悩んでいる場合、それが心理的に「適正と思う性行為の長さ」にも大きく影響していると考えられるのです。
何故、EDだと早漏になるのか?
そもそもなぜ、EDの人に早漏が多くなる傾向があるのでしょうか。ED気味になると「中折れはいやだ!中折れはいやだ!」「陰茎の硬さが十分な内になんとしても射精したい!」とがんばりすぎる……つまり、挿入中に腰の動きが速くなったり、ついついイキんでしまったり、となるため、射精が早まることが考えられます。また、ED気味の陰茎は、十分な硬さ(カチカチ)の陰茎に比べて物理的な刺激を多く受けやすくなるためという理由もあります。
では、EDが改善されれば、早漏も改善されることがあるのでしょうか。
ED治療薬による早漏改善効果を調査してみた
「ED治療薬で「勃起力」「挿入時間」はどう変わる?【20~70代のリアルED白書(後編)】」でもご紹介したガイドのクリニックによる調査「日本のED(勃起不全)有病者数調査2022」では、全国の20~79歳男性(合計6,000名のうち、ED治療薬の服用経験がある835人)を対象に、「ED治療薬を服用して射精に至るまでの時間に変化があったか」を調査しました。 その結果、特に20~30代では約69%がED治療薬の服用により射精に至るまでの時間が遅くなったと回答しています。一方で、射精が早まったと回答した人は僅か4%。この世代で早漏に悩んでいるのであれば、ED治療薬の服用を視野に入れてもよいかもしれません。
また、若い年代に限らず40代以上でも、ED治療薬服用で射精時間が遅くなったと感じている人が半数を超えています。勃起力の弱まりとともに、早漏気味になったという悩みを抱えている人であれば、ED治療薬がEDと早漏の悩みを同時に解決してくれる一石二鳥のアイテムになる可能性が充分にあるといえるでしょう。
同じ調査では「挿入時間」以外に、「勃起力」「満足度」や「朝勃ち」の変化も調べているので、気になる方はこちらの記事も参考にしてみて下さい、
⇒ED治療薬で「勃起力」「挿入時間」はどう変わる?【20~70代のリアルED白書(後編)】
勃起力と早漏、2つの悩みを抱えている人なら同時解決の可能性も
ED治療薬の処方は医師の診察の元で受けることが可能です。
実際、ガイド自身も以前から、クリニックに来院される患者さんの声として「早漏気味だったのですが、ED治療薬により勃起力が増したことで早漏気味が解消されました」という話を多く耳にしています。
もし少しでも悩みや不安があれば、ぜひ気楽な気持ちで、ED治療薬を服用するという選択肢を検討してみてください。なお、購入する際は必ず正規品を取り扱う医療機関に足を運ぶようにしましょう。
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