泥沼離婚劇が予想されるなかで
「私は、この度の件について、麻里子の言葉を信じることにしました」という夫のコメントとともに離婚騒動に終止符を打った、元AKB48でタレントの篠田麻里子さん(37歳)。ことの発端は2022年、篠田さんの不倫疑惑が報道されたことでした。その後、篠田さんの不倫を匂わせるさまざまな証拠もニュースになり、泥沼の離婚劇が長引くのかと思いきや、ここにきて急転直下の幕引きとなりました。「なお、私たち家族の個人的な問題につきましては、今後報道を差し控えていただけますと幸いです」と離婚が成立したことを発表したのです。 「あんなにいろいろあったのに、なぜ裁判にもならず、もっと泥沼化することもなく、和解することができたの?」と思った人も多かったのではないでしょうか。
じつはこのケースは珍しいことではありません。特に、有名人や経営者の場合、時間をかけて離婚問題を争うことにより「イメージダウンにつながる」「ダメージが大きくなる」「お金がかかりすぎる」というリスクが高まっていくもの。それらを回避するために弁護士を立てて、スピーディーに解決する方向に舵を切ることも多いのです。
W不倫のうわさが広まった専業主婦のケース
他にも、子どもがいる場合には「子どもにこれ以上、かわいそうな思いをさせたくないから」と迅速に和解が成立するパターンもあります。たとえば、実際にこんなケースがありました。
小学生のひとり息子がいるA子さん(42歳)は、結婚11年目の専業主婦。5歳年上の夫は地元の名士で、息子が通う小学校のPTA会長を務めています。
「子煩悩な父親と、家族を献身的に支える妻」という、絵に描いたようなおしどり夫婦に危機が訪れたのは、A子さんの浮気が原因でした。治療のため歯科医院に通っているうちに院長と親しく話す機会が増え、歯科医院以外でも会う関係になったとのこと。いわゆる、W不倫です。
A子さんいわく、「夫とは、子どもが生まれてからはセックスレスの状態。だからこそ、彼にひとりの女性として見てもらえることがうれしかったんです。『こんなこと、いつまでも続けていてはいけない』とわかってはいたものの、会うことはやめられなかった」。
あるとき、歯科医とホテルから出てくるところを知り合いに目撃され、浮気が発覚。さんざん話し合いをした後、A子さんは夫から「そんな女だとは思わなかった。すぐにこの家から出ていってほしい」と離婚を迫られました。驚いたのはA子さんでした。
「まさか、すぐに離婚を言い渡されるなんて、思ってもみなかったんです。そこまで夫のプライドを傷つけてしまっていたとは……。私が『離婚はしたくない』と言うと、夫からは『この家にいても、もうお前とは一生、口をきくこともないからそのつもりでいてほしい』と告げられてしまいました」
やがて、A子さんと歯科医が浮気をしているという噂はあっという間に近所に広がりました。そのことをいちばん悲しんだのは、夫婦のひとり息子でした。A子さんいわく、「私の浮気が原因で、息子が学校でからかわれていると知ったときは、息子に申し訳なくて涙が出ました」
その晩、もう一度、夫婦でじっくり話し合いをしたといいます。「夫の意思はかたく、私とは別れたいと。『息子のことを考えるなら、こんな冷戦状態をいつまでも続けるよりもさっさと別れたほうがいいはず。離婚しても、父親と母親というお互いの役割はそれぞれ果たせばいいのだから、一刻も早く子育てにふさわしい環境を整えるべきではないか』とも言われてしまって。私としては、時間をかけて説得すれば夫の心は取り戻せると思っていました。ですが、夫婦でもめる時間が長引く分、息子につらい思いをさせてしまうのだと思ったら、夫の提案どおり早く別れたほうがいいのかもしれないな、と」
その後すぐに、A子さんと夫は離婚を見据えて別居生活をスタートしたといいます。「まだ親権など、クリアにするべき問題はありますが、とにかく息子の幸せを最優先で考えることに決めました」
ーーこのように、子どものことを考えた結果、冷戦状態の長期化や泥沼化を避けて、比較的短期間で離婚を決めるケースは少なくありません。これは決して「円満離婚」とはいえないものの、それでも「子どもの幸せを考えて決断、行動する」という両親としての役割を果たそうとするための結論ともいえます。いずれにしても、離婚は子どもに負担をかけるものだと心得ておきましょう。