Q:再任用2年を含めて42年間公務員勤務。あと2年勤務する予定ですが、「44年特例」に該当しますか? 特別支給の老齢厚生年金と重複して受給できる?
「現在62歳(昭和35年12月生まれ)で、短大卒業後、再任用2年を含めて42年間公務員として勤務してきました。あと2年勤務する予定ですが、「44年特例」に該当しますか? また、特別支給の老齢厚生年金と重複して受給することはできますか」(元気さん)再任用で働く公務員。「44年特例」に該当する?
A:「44年特例」に該当するかどうかは、再任用後の厚生年金被保険者の種別によります。特別支給の老齢厚生年金と重複して受給はできません
そもそも「44年特例」とは、長期で厚生年金に加入して働いていた人への優遇制度であり、60代前半でもらえる「特別支給の老齢厚生年金」の一種です。528カ月(44年)以上、厚生年金に加入して働いた人が、60代前半で退職した場合、65歳以降からもらえる「老齢基礎年金・老齢厚生年金の合計額」とほぼ同額の「特別支給の老齢厚生年金」が受給できるのです。ただし「44年特例」の期間を計算する上で注意が必要です。厚生年金の被保険者とは細かくいうと「第1号厚生年金被保険者」から「第4号厚生年金被保険者」までの4つの種別に分かれます。同じ種別で合計44年以上加入しなくてはなりません。
相談者「元気さん」は42年公務員として働いたようです。今後の2年もすでに勤務してきた42年間と同じ種別なら合計44年となり「44年特例」に該当します。
公務員の人の再任用後に適用される厚生年金の種別は、フルタイムかパートタイムか、または自治体によっても扱いが異なるようですが、公務員の方が再任用された後は種別が変わることも多く、その場合は公務員時代とは異なる種別の厚生年金期間になるので、「44年特例」の期間として計算されません。
まずは再任用期間中の厚生年金期間の種別(「元気さん」の場合は第1号~第3号のどれかが該当するかと思います)について、年金事務所か共済組合に確認し、「44年特例」に該当するかを確認してみましょう。
最後に「44年特例」は退職していなければ受給できません。さらにご質問にあった、特別支給の老齢厚生年金と重複して受給できるかどうかですが、「44年特例」は、特別支給の老齢厚生年金の一種(65歳以降の厚生年金期間中の国民年金部分と報酬比例部分)なので、通常の「特別支給の老齢厚生年金」は受け取れなくなります。つまり、重複して受け取ることはできません。
※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。