貯蓄

大学入学にかかる費用、初年度納付金はいくら?

大学への進学も当たり前の時代、わが子も大学へ進学させたいという人は多いでしょう。教育資金の準備を考えるなら、入学にいくらかかるかをチェックする必要があります。

光田 洋子

執筆者:光田 洋子

貯蓄・教育費ガイド

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4月は子どもが中学や高校に入学してほっとしている家庭も多いと思いますが、将来、大学進学を考えているなら、早いうちから大学にかかるお金について確認し、準備しておくことが大切です。子どもにかかる教育費のうち半分以上、家庭によっては7割以上が、大学入学時と在学中に必要な費用となっているからです。

まずは国立大学の入学金と授業料を確認しよう

画像は、国立大学と私立大学の初年度納付金についてグラフにしたものです。
国立大学と私立大学の初年度納付金の推移グラフ

国立大学と私立大学の初年度納付金の推移グラフ(出典:国立大学、私立大学ともに、文部科学省の「令和3年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果」)

国立大学の金額は2021年度の標準額で、入学金は28万2000円、授業料は53万5800円で、合計81万7800円です。

標準額とは、文部科学省令で定められた金額で、この標準額の20%増を限度に各大学で設定することができます。多くの国立大学では標準額と同額ですが、東京芸術大学をはじめ、最近は授業料などが2割程度高くなっている大学もいくつかあります。

30年前の1990年と比較すると、初年度納付金は約1.5倍になっていますが、2005年以降の標準額は現在と変わっていません。

国立大学は原則、学部や学科に関係なく、入学金や授業料は同じです。ただし、入学金や授業料のほかに、若干、施設設備費や諸経費もかかります。

県立・市立などの公立大学も、国立より入学金がやや高いくらいで、授業料はほぼ同程度。気になる大学がある場合は、早めに調べておきましょう。

私立大学の初年度納付金は、平均100万円以上

次に、私立大学の平均額について見ていきましょう。

2021年度の昼間部・全学部平均では、入学金は24万5951円、授業料は93万943円で、合計117万6894円です。しかし、私立大学は入学金、授業料のほかに施設設備費や実験実習費、諸経費なども結構かかるため、その費用も合わせて確認することが大事です(図参照)。

全学部平均の施設設備費は18万186円、実験実習費は3万4462円、その他の費用は9万1423円です。これらを合わせると、実際に私立大学の入学時に納める初年度納付金の平均額は約148万円で、同年度の国立大学と比較すると2倍近くになっています。

さらに、私立大学の場合は学部や学科による違いが大きいことに注意が必要です。文系学部の初年度納付金の平均は120万円台ですが、理系や芸術系学部は170万円前後、医・歯系学部は初年度だけで600万円以上となっています。

入学金を除いた費用は毎年かかることになるため、4年間ではどうなるかというと、文系で約442万円、理系は約601万円、芸術系は約644万円になります。医・歯系学部のほか、薬学部も6年間になる場合が多く、2年目、3年目と上に進むほど実験実習費などが高くなる場合もあるので、毎年かかる費用は各大学のホームページなどで確認しておきましょう。

参考:文部科学省「令和3年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果」
記事作成協力:インタープレス
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