食品や電気代の値上がりで日々の暮らしもままならない中、老後への不安は増すばかり。60歳以下のAll About読者のうち「老後資金作りが不安」な人は約50%に上ります。
All About読者アンケート
YouTubeチャンネル「All About マネー【プロと学ぶお金のキホン】」では「年代別、老後資金を貯めるためにやるべきこと・やってはいけないこと」と題したライブ配信を実施。
AllAboutマネーガイドの福一由紀さんとウェルスナビ株式会社の小松原和仁さんを講師に招き、今からでも実践できる老後資金作りについて年代別に分かりやすく教えていただきました。
「人生の中で一番若い今日、まだできることがあります!」
All Aboutマネーガイドの福一由紀さんからは年代別に老後資金を貯めるためにやってはいけないこととやるべきことをそれぞれ教えていただきました。
■老後資金を貯めるために「やってはいけないこと」
20代「お金を借りる」はNG
家計の安定のために借金はやめて。単身20代で「借金あり」が16%、借入金残高が平均288万、借入目的は「日常の生活費」が3割というショッキングなデータもあります(※1)。
※1 家計の金融行動に関する世論調査【単身世帯調査】(令和3年)
30代「赤字家計」はNG
1カ月の黒字額は30代が20~21万台(※2)で、40、50代もあまり変わりません。30代で「貯め体質」を作りましょう。
※2 2021年家計調査 家計収支編(2人以上の世帯のうち勤労者世帯)
40代「教育費の聖域化」はNG
「教育費だから」とバンバンお金を使う方、ちょっと待って。特に私立に通うとなればとんでもないお金がかかります。
50代「家計の肥大化」はNG
給料がピークに達する50代は家計にゆとりが出て、支出も増えがちに。ここで家計を肥大化させると、老後の家計も大きくなってしまいます。
60代「仕事を辞める」はNG
老後はなるべく先延ばしを。60代の平均給与は男性400~500万円台、女性200万円台(※3)。老後資金を貯める最後のチャンスです。
※3 令和3年分 民間給与実態統計調査
■老後資金を貯めるために「やるべきこと」
20代「積み立てを始める」
毎月1万円を積み立てて年4%で複利運用できれば40年で1000万円を超えます。若さというアドバンテージを有効活用しましょう。
30代「ライフプランを考える」
30代はライフイベントが多いので、しっかり計画しないと安心な老後は見えてきません。老後を見据えたライフプランを考えましょう。
40代「ねんきんネットの確認」
自分がこのまま働けば年金がいくらになるか、収入が増えたらどうなるか、専業主婦が厚生年金に入ったらいくら増えるかなど試算できます。
50代「老後に貯まるお金の確認」
50代はまだまだ積み立てできる年代。月5万円、年60万円を年4%で運用できたら15年間で1000万円を超えます。
60代「資産運用を続ける」
赤字の補填が必要な場合も運用しながら取り崩し、資産寿命を延ばしましょう。ただし運用は余剰資金で!
福一さんは「人生の中で一番若いのは今日、まだできることがあります!」と視聴者に語りかけました。
「ライフステージによって資産運用を変えるのがポイント」
ウェルスナビ株式会社の小松原和仁さんは資産運用に関する年代別のコツを解説しました。
■年代別・老後資金を貯めるためにやるべき資産運用
20~40代「リスクを取った運用ができる」
20~40代は積み立てて資産を増やす期間。運用資産に占める株式の割合を大きくして「リスクを取った運用」ができる期間です。とはいえ仮想通貨やFXなどギャンブル性の高い投資ではなく、「長期・積立・分散」による資産運用がおすすめです。
少なくとも10年以上の「長期」にわたり一定の金額を決まった間隔で「積立」、世界中の資産に「分散」して投資をすること。世界経済全体に投資し世界経済の成長の恩恵を受けながら資産を増やす仕組みが「長期・積立・分散」による資産運用です。
50~60代「株の比率を下げ債券の比率を上げる」
50~60代の退職前後の期間は株の比率を下げて債券の比率を上げましょう。「自分で比率をコントロールするのが難しい」という方にはロボアドバイザー「ウェルスナビ」のサービスがおすすめです。
5つの簡単な質問で「リスク許容度」を定期的に見直しでき、ボタン1つで債券中心でリスクが低い資産運用のパターンに切り替えることもできます。
60代~「リスクを抑えて運用する」
60代以降の、貯めた資金を取り崩す期間は債券を中心にリスクを抑えて運用していく期間です。ただし完全に資産運用をやめるのではなく、資産運用をしながら取り崩すのがポイントです。
例えば65歳時点で2000万円の資金を毎月10万円ずつ、全く運用しないで取り崩した場合を試算すると、81歳で資産がなくなってしまいます。
一方で年率3%で運用しながら同じ額を取り崩した場合、87歳まで資産が残ります。つまり6年間資産寿命を延ばすことができるという計算になります。
さらにこれを毎月7万円ずつの取り崩しに変えた場合、運用なしで88歳まで、3%で運用した場合は106歳まで資産が残ります。「人生100年時代」クリアです。資産寿命をより長く延ばすためには運用だけでなく、家計管理との両輪でやっていくことが重要といえそうです。
視聴者から寄せられた質問にゲストが回答
事前に寄せられた467件のお金の悩みとライブ配信中に視聴者から寄せられたメッセージの中から、次のような質問にゲストの福一さん、小松原さんが答えました。
Q.35歳の公務員女性です。気になるのは投資ですがリスクを考えると、投資に手を出す勇気がありません。多くの人は専門的な知識がなくても投資を始めているんでしょうか
Q.10年ほどは使わない老後資金が1500万円あります。ローリスクで運用したいがいい投資先が見つかっていません
Q.現金のまま持っているのが無駄というのが理論的にはわかっているんですけれども、一気に投資するほど胆力もないところが悩みです
Q.何歳になったら投資の出口を考えればよいのかわかりません。また、アメリカの景気、去年も良かったですけどいつまでもつのでしょうか
Q.元夫は年収が高かったのですが、株で毎年数百万円単位で損失を出しており、それを私には隠していました。先月再婚し、同じことを繰り返したくないのですが、お相手はつみたてNISAや確定拠出年金、ドル建て保険をしており、正直なところ、ドル建てには不安しかありません。今ならプラスが出る状態なので、現金化した方がいいのではないか。このまま60歳まで支払い続けてもいいのか悩んでいます
Q.まとまったお金を相続した場合、個人向け国債に預けておくことについてどう思われますか
Q.預貯金とリスク資産の割合についても、考え方を教えてください
Q.夫が50代前半です。数カ月前から投資を始めましたが、それにより貯金する余裕がほぼなくなりました。子供はまだ小学生と幼稚園児で教育資金を貯めなければいけません。貯蓄と投資のバランスが難しいと思っていますが、投資の額を途中で減らすことはしない方がよいのでしょうか
Q.会社の持ち株制度があるんですが、会社が1割負担してくれるらしいです。会社で5年前から確定拠出年金と天引きで積み立てをやっていますが、持ち株やってみるべきでしょうか
Q.当面使う予定はないのですが、投資に回すと預金と投資の割合が大幅に投資寄りになってしまいます。共働きのため、食費がかさみがちです。もう1人子供を望んでいますが、教育費や住宅ローンの繰り上げ返済、また老後資金が貯められるか漠然とした不安があります。このような状況で普通預金に預けている資金の運用方法についてアドバイスがほしいです
漠然とした老後を「自分ごと」にするきっかけに
今現在の年代、そしてこれから迎える年代に向けて、ライフステージに合わせた資産運用のあり方を分かりやすく解説していただいた今回のライブ配信。
今日からできることは実行に移して、改善すべき点は見直していくきっかけにしてはいかがでしょうか。
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