そこで今回は、メガバンクとネット銀行の違いを「安心感」と「お得度」で比較します。
メガバンクとネット銀行の違いを徹底比較
まずは、メガバンクとネット銀行の違いを表で見てみましょう。メガバンクは本当に「安心」できる存在なのか
メガバンクは、全国に実店舗と自行ATMがあり、幅広い金融商品やサービス、潤沢な資本を有しています。対面から電話・オンライン相談まで対応できる相談形態・サポートの手厚さ、知名度や信用格付の高さは、大切なお金を預けるうえで大きな安心につながります。全国企業のメインバンクシェアでも1位~3位は、メガバンク3行が独占しています。給与振込の指定先になることも多く、総じて利便性が高い銀行といえるでしょう。
一方で、みずほ銀行では行政処分を受けるほどのシステム障害が頻発しています。システム面での安心・安全度については、規模が大きい故の課題がありそうです。
ネット銀行は本当に「お得」なのか
銀行業界全体ではニッチな存在のネット銀行ですが、店舗を持たずネットに特化しているため、金利や手数料がお得になる場面があります。条件さえクリアすれば、コンビニなど提携ATMの入出金は24時間いつでも無料になり、時間や曜日を気にせずお金を引き出せます。また、他行宛振込手数料はメガバンクよりも総じて安く、銀行の未利用口座管理手数料もかかりません。注意したいのは、各種手数料や金利がメガバンクよりもお得になるのは「預金残高や取引量など一定の条件をクリアした時だけ」という点です。メガバンクは平日の営業時間内であれば条件問わず何度でも無料で引き出しできますが、ネット銀行は条件によって入手金だけで手数料が発生することもあるのです。
ネット銀行がお得になるかどうかは、各銀行の諸条件を毎月クリアできるかどうかで変わってくるでしょう。
メガバンクは「都市部で働く人」向け。ネット銀行は「コンビニATMや他行振込が多い人」向け
メガバンクは都市部中心に自行の店舗とATMを多数構えていて、平日日中の入出金手数料は基本的に無料です。ネット銀行のように無料利用の条件や上限がありません。そのため「都市部で働いていて、会社の休み時間にATMや銀行に行ける人」や「店舗で相談したい人」に向いています。一方で、郊外・地方に住んでいると、無料で使えるメガバンクのATMは少なく、コンビニの提携ATM利用には手数料がかかります。また、他行振込手数料はネット銀行のほうが安いため「時間や曜日を気にせずコンビニでATMを使いたい」人や「他行振込の機会が多い」人については、ネット銀行のほうが向いているでしょう。
お得ポイントは金利よりも手数料を見よう
「金利で選ぶならネット銀行」という声もありますが、両行とも通常時の普通預金金利は共に0.001%です。ネット銀行は諸条件をクリアすれば0.02~0.10%程度の金利になりますが、0%台の金利差が大きな差になるのは数千万円程度の預金がある人くらいです。お得!と呼べるほどの経済的メリットを得られるのは、ごく一部の人だけではないでしょうか。低金利時代、お得かどうかの見極めポイントは各種手数料にあります。自身の環境にあわせて、手数料負担を抑えられそうな銀行を選ぶのがいいでしょう。
(監修:酒井富士子/経済ジャーナリスト・オールアバウトマネーガイド)