知っておきたい!新NISAの変更点3つ
これだけは押さえておきたい新NISAの変更点は、以下になります。- つみたてNISAと一般NISAの併用がOKに
- 期間限定がなくなる
- 投資できる金額が増える
新NISAの重要な変更点をチェック!
それでは、1つずつポイントを解説していきます。
2024年から新NISAへ! 重要な変更点をチェックしておこう
1. つみたてNISAと一般NISAの併用がOKに
現行のNISAですと、まず一般NISAまたはつみたてNISAを選ぶようになっています。ファイナンシャルプランナーの私でも、一般ってなんだ?と思いますが、積立投資に限定しない「一般NISA」と積立投資に限定する「つみたてNISA」ということです。新NISAではこのくくりがなくなり、積立投資もそれ以外の株式投資、投資信託の一括購入など、どちらもできるようになります。
2. 期間限定がなくなる
これまでのNISA制度では、非課税で投資できる期間がつみたてNISAであれば20年、一般NISAであれば5年の縛りがありましたが、新NISAではなくなります。ロールオーバーや期間の管理がなくなるので、これは大きな改良ポイントだと思います。対象年齢が18歳以上というのは変わりませんが、いずれにせよ新NISAの口座と一生付き合えるというのはいいですね。
3. 投資できる金額が増える
これまでの制度だと、投資枠の上限額は、つみたてNISAが年間40万円、一般NISAが年間120万円でした。「つみたてNISAを毎月決まった金額で」と考えると、3万3333……円と割り切れず、金額がバシッとおさまらないところにモヤモヤが残りました。新NISAでは積立投資は年間120万円まで、それ以外は年間240万円までとなります。積立を毎月10万円×12カ月できちっとおさまるようになりました。
ただ新NISAもまだ少し難解なところがあります。それが、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」というくくりです。
成長投資枠とつみたて投資枠
1. のポイントで積立投資に限定または限定しない(一般)のいずれかではなく、どちらも投資できるとお話ししました。なので新NISAでは積立投資も株式投資も、ご自身のタイミングで選んで投資できます。つみたて投資枠では、これまでのつみたてNISA対象商品と同様、金融庁が指定する条件に合った投資信託を買うことができます。一方、成長投資枠では、投資信託のほか、上場株式やETF、RIETなどにも投資できます。
ただしその投資金額の上限というのは決まっていまして、一年間の期間でみると(1月~12月の間)先ほど記載した通り、つみたて投資枠で年間120万円、成長投資枠で年間240万円までです。
そして1人当たりの上限値(生涯非課税限度額)も決まっており、全体で1800万円までです。この1800万円というのは、買ったときの金額となります。
例えば、100万円で購入した株式が、数年後値上がりして120万円になっていても、投資枠の金額は100万円分ということで、残り1700万円が使用できるということです。
そしてこの1800万円分のうち、成長投資枠の上限額は1200万円ということです。ここのあたりで、混乱してしまう方も少なくないと思いますが、以下のように考えてみると少しすっきりするかもしれません。
●つみたて投資枠のみを使う場合:年間120万円×15年(*)
●つみたて投資枠と成長投資枠を併用して使う場合:
・600万円分をつみたて投資枠で使用:年間120万円×5年(*)
・1200万円分を成長投資枠で使用:年間240万円×5年(*)
*年間の上限額まで使った場合の年数の例
※つみたて投資枠を使わずに、成長投資枠のみで運用も可能
なんとなく理解できてきましたでしょうか? ただこれは、途中売却を考えずにシミュレーションしたものです。
新NISAでは期間の縛りがなくなり、恒久化になりますので、途中で売却して枠の金額をリセットすることも可能です。
また、これまでの一般NISA・つみたてNISAをお持ちの方や、2023年からNISAをスタートされる方も、これまでの非課税限度枠を使い切っても、新NISAの非課税限度枠(1800万円)が使えます。新NISAとこれまでのNISAを合わせて、シミュレーションをしてみるといいと思います。
新NISA、考え方のポイント
私が考える新NISAの考え方のポイントは、まずご自身の投資金額や期間・目的を決めることだと思います。これからも新NISAの改正があるかもしれませんし、仕組みをすべて理解してから始めようと思うと、難しくてかえって始めにくくなってしまう可能性もあると思います。ただそれぞれ人により、年齢や投資できる金額、投資目的(安定的に、優待目的など)が異なります。
例えば「年間○○円投資しよう、そのためには毎月だと○○円だな」とか、「この株式を保有したいな」「子どもが○○歳になったら引き出して学費にあてよう」など、まずはご自身の理想の投資計画を立ててみてください。
いかがでしたか? 少し複雑な部分もありますが、投資初心者のうちは成長投資枠は使わず、いずれ使おう!と考えておくとよいと思います。