風呂なしアパートに住むことは、本当にお得?
最近、あえて風呂なしアパートを選ぶ人がいるそうです。その理由には、「家賃が節約できるから」というのはもちろん、「銭湯が好きだから」というのもあるのだとか。東京23区での一人暮らしで、家賃4万円の風呂なしアパートに住んでいたという男性は、マンションを買う資金を貯めるために住んでいたとのこと。そして、やはり銭湯に行くのが好きだったそうです。
風呂なしアパートはお得?
それで、今、風呂なしアパートに住むことについて、マネーガイドとしてどう思うかというご質問をいただき、ちょっと調べてみました。
参考までに私の自宅近くの銭湯を調べてみたら、入浴料は480円なので毎日通っても月1万4400円。バスタオルは持参すればレンタル料もかからない。
あまり汗をかかない冬場は1日おきぐらいでも問題ないという人もいるでしょうから、それならこの半額で済む。高騰しているガス代や水道代が削減でき、さらに家賃も安いですからお金を貯めたい人には適していると言えそうです。
と思ったのですが、東京都23区の激安物件(家賃安い順)で調べてみると、風呂なしアパートと風呂ありアパートの賃料差は月約1万~2万円前後でした(地域や駅徒歩距離にもよりますし、部屋の広さや間取り・設備・築年数など物件によっても違います)。
また、シェアハウスになるとこの差はもっと縮小し、風呂なしアパートと同程度の金額で借りられる物件も散見されました。
つまり激安物件(築古・専有面積狭い・駅遠い)の中から選ぶとしたら、風呂なし+銭湯代と風呂あり+ガス・水道代では思ったほど差がないという感じです。
もっとも、たとえば目黒区など都心部では風呂ありと風呂なしの賃料差は月2万~3万円まで広がるため、「都心に住みたいが貯金もしたい、そのためにあえて風呂なし物件を選ぶ」という判断ならあながち間違いではないということになりそうです。
一方で課題があるとすれば「時間」でしょうか。
銭湯に通う時間のロス、着替えをロッカーに出し入れする手間、公共の場なので風呂上がりに下着姿のまま缶ビールをプシュっと開けるのもはばかられる(笑)。
それに営業時間が決まっているし定休日もあるので、朝シャワーができないとか、今日はデートでお風呂に入りたいのに定休日だ、など好きな時に利用できないという点もデメリットです(銭湯の営業時間はおおむね15時前後~0時前後、24時間営業店は利用料金がやや高め)。
それに、真夏は銭湯からの帰り道で再び汗をかいてしまうし、真冬は距離にもよりますが帰りに湯冷めしないかが気になるところ。
また、他人がいるため完全なリラックスも難しいかもしれない(まあこのあたりは慣れの問題でしょうけれど)。
そう考えると、自分の時間を投入してお金を節約するか、お金を払って自分の時間を確保するかという価値観の違い、つまりお金が大事か、時間が大事かの問題のような気もします(むろん大浴場の解放感や気持ちよさという価値はありますが)。
独身だったら、銭湯よりもスポーツクラブの会員になったほうがお得?
最後に自分ならどうするかを考えてみました。「自分が独身であれば」という前提ですが、スパか大浴場があるスポーツクラブの近所の風呂なし物件ならアリかなと。
私は現在もスポーツジムに通っていますが(健康維持は優先度の高い投資という考えですが、自主トレは挫折するのでジム通いです)、そこはシャワーもありませんから(だから会費も安い)自宅でお風呂に入る必要があります。
しかし独身でどうせジムに入会してトレーニングをするのであれば、今よりちょっと金額が上がっても、スパ付きのスポーツクラブの会員になれば、家賃が安い+ガス・水道代削減+トレーニングもできるという、一石二鳥(三鳥?)というわけです。