イタズラ動画をインターネット上にUPして面白がっている人が悪いのは当然として、こういった行為がなぜ“回転寿司店”に集中しているのか、今後の回転寿司業界はどうなるのか探っていきたいと思う。
回転寿司ならではのビジネスモデルが起因か
波紋を広げている回転寿司店での「迷惑行為」
回転寿司のビジネスモデルでは、安価に寿司を提供する最後の切り札が「人件費の削減」である。人を増やし監視の目を厳しくすればこういった行為の抑制につながるとは思うが、それでは値上げをせざるを得ない。機械化によって「食の安心・安全」が脅かされることになるとは考えていなかったのかもしれない。
ただ、いまのシステムで「食の安心・安全」が守れないのだとしたら、企業としては対策を打ち出す必要がある。迷惑行為をする客が悪いとしても、何もしなければ今回の件で回転寿司に行くのをやめてしまった人々が戻ってくることはないからだ。
スシローでは被害を受けて、当該店舗と近隣店舗において、調味料、箸など従来テーブルに置いてあった物が一箇所に集められ、客がそれぞれ席に持っていく方式を採用。また、客席とレーンの間にアクリル板を設置し、迷惑行為が発生しにくい状況を作るとを発表した(※1)。
迅速な取り組みとして評価をすると共に、今後どのような形で全店に普及させていくのか注視したい。
>次ページ:実際にイタズラ対策を講じている店舗もある