年収1000万円だったら、将来もらえる年金はいくら？

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は年収1000万円だった場合、将来、年金をいくらもらえるのかについてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

Q：年収1000万円だったら、将来もらえる年金はいくら？

「年収1000万円だったら、将来もらえる年金はいくらですか？」（20代）

A：65歳から、月額約24万7400円を受け取れます

厚生年金の加入期間がある人は、原則65歳になると老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金を受け取ることができます。年収1000万円の会社員の人は、厚生年金の加入者となります。

例として以下のような人を設定して考えてみます。

2023年（令和5年）で誕生日を迎えられ、現在20歳、2003年（平成15年）生まれのAさんとし、22歳から60歳まで（38年間）、年収1000万円（ボーナスは夏と冬2回／年で110万円、平均標準報酬額65万円⇒標準報酬月額と標準賞与額の総額83万3000円）で、38年（456カ月）間、厚生年金に加入した場合で計算します。

また、Aさんは20歳から厚生年金に加入するまでの期間は国民年金に加入しており、未納期間・免除期間がないこととします。この場合、老齢基礎年金は令和4年度で満額の年額77万7800円（月額約6万5000円）が受け取れます。

老齢厚生年金の受給額を計算するには、平成15年（2003年）3月までと平成15年4月以降では、計算式が違いますが、この場合、会社に入社した年は令和7年（2025年）となりますので、平成15年4月以降の計算式のみ用います。

また、Aさんは厚生年金に加入するまでの期間（20歳から22歳まで）は、国民年金に加入しており、未納期間・免除期間がないこととします。

【1】老齢厚生年金（報酬比例部分）の計算式
平均標準報酬額×5.769／1000×平成15年4月以降の厚生年金加入期間（※）

※従前額保障での計算方法。スライド率等については省略。乗率は、昭和21年4月2日以降生まれに適用。平均標準報酬額とは、各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額のことです。

Aさんの年金額を計算してみます。
【1】老齢厚生年金の報酬比例部分：83万3000円×5.769／1000×456カ月≒219万1343円
【2】老齢基礎年金：77万7800円／年
【3】【1】老齢厚生年金219万1343円＋【2】老齢基礎年金77万7800円＝296万9143円／年（約24万7400円／月）

したがって、38年間、ずっと年収1000万円の厚生年金加入者の人は、65歳からおよそ月額24万7400円（年額296万9143円）受け取ることができます。

また、令和5年現在、厚生年金の加入期間が20年以上あると、要件を満たす配偶者がいる場合に配偶者加給年金額が上乗せしてもらえることになります。

※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。

監修・文／深川 弘恵（ファイナンシャルプランナー）