友達に「マウント」をとられたら……
マウントをとってくる相手の「心の闇」に気づく
マウントをとられてもうまくかわせる人は、日頃から人に「あれ?」と思うような態度をとられたとき、「どうして相手はそんな態度をとるのだろう?」と考えます。それができるかどうかによって、対応の仕方は変わってくるでしょう。マウントをとられたとき、相手のことを知ろうとしないままでは、「私(僕)をばかにしているんだ」「私(僕)よりも自分を上に見せたいんだ」と腹を立ててしまうもの。
マウントをとる人の多くは、意外と相手に何かしらの脅威を感じています。だからこそ、マウントという形で威嚇(いかく)をしてしまうのです。小さな子どもに対してマウントをとる大人はいません。「自分と互角か、むしろ相手のほうが勝っているかもしれない」と感じるから、マウントをとることが多いのです。
さらに、自分は「マウントをとられた」と思っている場合でも、相手はマウントをとっているというより、単に「自慢話を聞いてもらいたいだけ」ということもあります。
その場合は、「自分のほうがあなたよりも上だ」と言いたいわけではなく、「自信がないから、あなたに自分のことを認めてもらうことで安心したい」と考えていることが多いのです。
むしろあなたに対しては、「あなたは(私よりも)幸せな人だから、これを話しても、自慢話だなんて思わないで聞いてくれるだろう」と思い、リスペクトしている可能性だってあります。もしそうだったら、あなたの気持ちだって変わりませんか?
「よかったね」「すごいね」と言ってあげる
マウントをうまくかわせる人は、相手が「幸せな状態ではないから自慢話をしてくる」ことを見抜きます。だから、もしマウントをとられても、「よかったね」「すごいね」と言います。そうすると、相手が安心するのが分かっているからです。その後も付き合い続けるかどうかは別にして(基本的に距離を空けることの方が多いですが)、その場では相手をきちんと認めてあげた方が無難です。
そうすることで、たとえ相手がマウントをとったつもりだとしても、あなたを「自分の良き理解者だ」と感じ、むしろ好きになることもあるのです。
実は、ネガティブに反応する自分にも問題はある
マウントをとられたときに、「私(僕)をばかにしているんだ」と思ってしまう人は、ある問題を抱えています。それは、「自分で自分を認められていない」ということです。だから、マウントをとってくる相手の「自信のなさ」を見抜けず、ただ被害者意識だけを抱いて「相手にばかにされている」と考えてしまうのです。自分をないがしろにしているのは、むしろ「自分自身」なのかもしれません。
マウントをとってくる相手にも、もちろん問題はあります。しかし、それに対してネガティブに反応してしまう自分にも「まだまだ未熟なところがある」ということ。自分にコンプレックスがあるから、ばかにされているような気分になってしまうのです。
結局、人とうまく付き合えるようになるためには、まずは「自分自身が良好な状態であること」が大切なのです。
本当に自分に自信がある人は、誰かがマウントをとってこようが、悪口を言ってこようが、相手にしません。たとえマウントをとられたとしても、「幸せの形は人それぞれだし、相手がどうであろうと、自分が幸せ者であることには違いない」と考えるし、悪口を言われたところで、そんな言葉よりも自分の魅力を信じられるからです。
結局、人生は「自分との戦い」です。自分次第で、人に何を言われても「どうってことない」と思えるようになっていきます。マウントをとられても上手にかわせるくらい、相手の状況を見抜いたり、自分に自信を持てたりする人でありたいものですね。