4キャリアの方針は
本記事執筆の2022年12月時点では携帯4社からのヒアリングが実施され、4社がそれぞれ規制の方法に関する案を出しているのですが、その内容を見ますと現状は大きく2つの案に分かれている印象です。1つは値引きした端末の額が、中古端末の販売・買取価格を下回らないよう規制するというものです。例えばNTTドコモは、回線をセットで契約・購入した時の端末価格が中古スマートフォンの価格を下回らないよう、自動車におけるレッドブック(オートガイド自動車価格月報)のような中古価格を参考とした業界一律の割引上限基準を設けるべきと主張しています。
もう1つは、端末価格に応じて値引き上限額を変えるというもので、こちらは楽天モバイルが主張しているもの。具体的には低~中価格帯の端末は現行法の2万円まで、10万円を超えるような高価格帯については、値引き上限額を端末価格の20%など定率にすべきとしています。
ただこの議論はあくまで始まったばかりで、今後は携帯4社だけでなく、MVNOや販売代理店、スマートフォンメーカーなどからも意見を募り具体的な規制のあり方について議論が進められるものと考えられます。それゆえ執筆時点で1円スマホがどのような形で規制されるのかは見通すのは難しいのですが、一連の議論は2023年夏に報告書をとりまとめる予定なので、それ以降には何らかの形で規制がかけられることは間違いないでしょう。
スマホを安く買うなら2023年春商戦が狙い目か
そこで注目されるのが2023年の3月頃にピークを迎える春商戦の動向です。なぜなら春商戦は、新入学シーズンを迎え携帯電話業界の販売が最も活気づく商戦期で、スマートフォンの大幅値引きが最も活気づく時期でもあるからです。2023年の春商戦は1円スマホの規制がなされる前に訪れると考えられることから、1円スマホの最後の買い時となり駆け込み需要を狙って値引き販売が例年以上に活性化する可能性が高いでしょう。それゆえスマートフォンを安く買い変えたいと考えているなら、2023年の春商戦を狙うのがベストといえるかもしれません。
ただ総務省はかねてスマートフォンの大幅値引きを非常に強く問題視しているだけに、取りまとめの前に1円スマホの規制だけを前倒しする可能性も十分あり得ます。スマートフォンを安く買いたいなら、行政の動向をよく注視しておく必要がありそうです。
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