スマートフォン

2023年は「1円スマホ」がなくなる? スマホを安く買うなら春商戦が狙い目か

携帯電話会社同士の競争激化で急拡大した、いわゆる「1円スマホ」。消費者に大きな恩恵をもたらす一方、いわゆる「転売ヤー」の格好のターゲットとなるなど深刻な問題ももたらしていることから、総務省で規制の動きが出てきています。2023年、1円スマホはどうなっていくのでしょうか。

佐野 正弘

執筆者:佐野 正弘

携帯電話・スマートフォンガイド

携帯電話業界で幾度となく浮上してくる、携帯電話やスマートフォンの大幅値引き。2019年の電気通信事業法改正でスマートフォンの値引きに大幅な規制がかけられましたが、2021年の半ばころから改正法の隙を突いた新しい大幅値引き手法が現れました。

世間で「1円スマホ」などと呼ばれるこの新しい値引き手法、具体的な手法については以前の記事(「なぜiPhoneが「1円」で買える? スマホの値引き規制がなされたのに、格安になるカラクリ」)で取り上げているのでそちらを参照頂きたいのですが、スマートフォン自体の値段を大幅に下げて誰でも安く買えるようにし、それに加えて電気通信事業法で定められた範囲内の値引きをプラスすることなどで、スマートフォンを一括1円、あるいは分割払いで実質数十円程度の非常に安い値段で販売するというのが1円スマホの大まかなカラクリです。
 

“転売ヤー”による「1円スマホ」買い占め問題

1円スマホ

総務省「競争ルールの検証に関するWG」第36回会合資料より。現在のいわゆる「1円スマホ」はスマートフォンの価格自体を大幅に値引きし、誰でも安く買えるようにして実現している


1円スマホの登場によって再びスマートフォンが安く買えるようになったことから、法規制で閑古鳥が鳴いた携帯電話の販売の現場は再び活況を取り戻したようです。一方で1円スマホの手法は、改正法で禁止された通信回線とのセット契約を前提としていた以前のスマートフォン大幅値引きとは違って、通信契約をしなくても端末だけ安い値段で購入できることから、海外でも人気のiPhoneなどを安く買えることに目を付けた組織的な転売ヤーが、1円スマホを狙って買い占めてしまうという問題も起きています。
1円スマホ

総務省「競争ルールの検証に関するWG」第27回会合資料より。画像はKDDIの事例だが他の携帯3社も1円スマホの販売を実施しており、停滞していた市場の活性化を促した一方、深刻な転売問題などの弊害も生み出している


ですが先の法改正で、携帯電話会社は顧客を長期間“縛る”契約が困難となってしまったことから乗り換え競争が激化しているのも事実。それゆえ携帯電話会社が1円スマホをやめたくても、値引きをしている他社に顧客を奪われてしまうので止めるに止められない、というのが現状のようです。

しかも1円スマホの手法は現在の電気通信事業法に触れない形で実施されているので、スマートフォンの大幅値引きを根絶したい総務省も手を出すに出せない状況にありました。そこで大きく動いたのが公正取引委員会です。
 

「不当廉売」に当たる恐れ

公正取引委員会は、1円スマホの手法が、商品の価格を度外視して著しく安く販売することにより、競合の事業を困難にする「不当廉売」に当たる恐れがあると判断。2022年8月9日に携帯電話端末の廉価販売に関する緊急実態調査を実施することを発表しており、執筆時点では調査が進められている最中のようです。
1円スマホ

公正取引委員会のWebサイトより。公正取引委員会は1円スマホの販売手法が不当廉売の恐れがあるとし、2022年8月より緊急調査を実施している


1円スマホの販売手法に関しては、携帯電話会社の側からも不平等が起きることなく一斉に止められるよう、規制を望む声が出てきていました。そうしたことから総務省の有識者会議「競争ルールの検証に関するWG」で、1円スマホの規制に関する議論が2022年11月の第37回会合から進められています。


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