人間関係

家事は分担したいけど……細かすぎる妻に「私のやり方を学んで」と文句を言われてキレた僕

家事をやっても「そうじゃない」と文句を言い、やらなければ「なぜやらないのか」と文句を言う妻。夫には夫の言い分があるようだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

共働きなら家事は分担するのが当然だが、お互いにフルタイムで働いていても家事の7割近くは妻が負担している家庭が依然として多い(内閣府「平成21年度 インターネット等による少子化施策の点検・評価のための利用者意向調査」より)。自分がやってしまったほうが早いからと妻たちは考えているようだ。

一方で「言われればやるけど」という夫も少なくない。どうすればお互いが納得いく形で折り合いをつけることができるのだろう。
 

妻が「細かすぎる」という問題

main
「家事も育児もふたりでと思ってはいますが、妻が細かすぎるんですよ。料理を作ったらガス台の隅々まできれいにしないと怒られる、お皿ももとあった位置にきちんと置かないとため息とともに直される。それが続くとやること自体が嫌になる」

そう言うのは、タカヨシさん(39歳)だ。結婚して8年たつ妻との間に6歳の子がいる。ふたりともフルタイムで仕事をしているから協力しあっているつもりだが、毎度文句を言われることに嫌気がさしているという。

「やってもやらなくても文句を言われるから、じゃあ、僕は子育てのほうでと娘の宿題を見たり一緒に遊んだりしています。そうすると『自分だけポイント稼いでる』と言われる。つい先日、とうとう僕がキレまして(笑)、きみはいったい僕に何を求めているんだ、どうしたら肯定的な言葉を発するんだと。そうしたら『私のやり方を学んで』って。なぜ妻のやり方を学ばなければいけないのか、妻が僕のやり方を認めればいいだけの話。そこで平行線をたどって解決できていません」

目的が共通認識になっていれば、あとは問題視するべきではないというのが彼の考え方。お皿を洗うなら、きれいになっていればいいことで洗い方まで指示する必要はない。だが妻は自分のやり方に固執する。

「冷蔵庫内だって、そんなにきちんとしていなくてもいいじゃないですか。でも妻は棚によって入れるものを決めている。それなら表でも貼っておいてくれよと言いたくなります。そもそも、そういう細かな決め事はお互いにつらくなるだけでしょ」

妻はもともときちんとした人で完璧主義者。だから自分が疲れ果てていても、子どものためにと一から出汁をとって料理をする。タカヨシさんは妻が疲れているなら、インスタントでもデリバリーでもいいじゃないかと思っている。

「そうすると、あなたは娘の健康に関心がないのか、と。それほど重要? 毎日のことじゃないし、たまにはインスタントラーメンをみんなですするのも楽しいじゃんと思うんですよね。必死になって“正しいこと”を追求するより、僕は楽しみながら笑って暮らしたい」

価値観が違うのだ。タカヨシさんは「楽な方向に流れない」妻に敬意をもってはいるが、家庭生活でそれを押し出されると心がつらいと言った。
 

“いいかげん”でいい

そんな妻がストレスからか胃腸の病気に陥った。命に別状はなかったが、3週間の入院を余儀なくされた。

「急な入院だったので、妻としては何の用意もできなかったのが心残りだったみたい。コロナ禍で見舞いもできない。このときとばかり、僕は娘と遊びまくりました。一緒にお好み焼きを作ったり、娘が食べたがっていたハンバーガーを買って食べたり。週末は遊園地に行って外食。でもその他の日は、一応、栄養のバランスも考えて食事も作りましたよ。豚の生姜焼きとかけんちん汁とか。冷凍食品や惣菜も使いながらだけど。すぐに食事ができるから娘はかえって喜んでいたし、娘と話す時間も増えました」

娘に聞くと、妻は帰宅後、夕食の支度をしながら娘の話を聞くことはほとんどないという。手伝うと娘が言っても、そんな時間があるなら勉強しなさいと言われるらしい。

「僕は娘にも手伝ってもらったし、食後に宿題を見てほしいと言われれば見ました。もう宿題をしたというなら一緒にテレビを観たり、読んだ本の感想を話し合ったり。娘は絵が好きなので僕の顔を描いてもらったりね。勉強以前に、今、楽しいと思えることをたくさんしたほうがいいと思うので」

べったり3週間一緒にいた結果、娘の笑顔が増えたと彼は言う。

「娘が言うには、私立中学を受験しろと妻に言われているらしい。まだいいじゃないですか、そんなこと。だから受けるも受けないも娘自身の気持ちが大事だよと伝えました。どっちでもいい、好きなように生きなさいと。妻が入院しなかったら、なかなかそんな話もできなかった」

退院した妻は、娘の様子が変わったことにすぐに気づいたようだ。彼は3週間の暮らしを説明し、娘をやたらと管理しないほうがいいと告げた。

「きみだってストレスで倒れたんだから、もうちょっと気楽に生きようと。性格的にきちんとした人は、なかなかいいかげんには生きられないんでしょうけど、完璧を目指すことで周りもつらい思いをする」

その後、妻が「完璧」に走りそうになると、彼が「そこまでしなくていいよ」とストップをかけるようになった。もちろん、彼が家事をやる場合は、細かなことは気にしないでもらう。妻も病気をしたことで少しずつ気持ちが変わっていったようだ。

「つい先日、やっと妻が何もかも完璧にしなくてもいいとコツがわかってきたと言うんです。彼女は彼女で自分を追い込みながら完璧を目指していたんだろうなと思いました。これからは家族3人、もっと楽しいことをしていこうと考えています。妻にはまだ、楽しいことや快楽にふけるのはいけないことという認識があるみたいですが……」

人はいつまでも生きられるわけではない。いつどこでどうなるかわからないのだ。それなら「今日を楽しく」生きるしかないと彼は言う。

「楽しいことが自堕落なことだと思っているんですよね、妻は。楽しく過ごしたら明日はがんばって勉強しようみたいに娘にも言う。それとこれとは別。楽しいときはただ楽しければいいんですよ。明日の努力と引き換えにする必要はない。妻を楽な方向に引っ張っていくのはまだまだ先が遠いようです」

とはいえ、妻が少しラクに生きられるようになったことで、家庭内に笑顔が増えたのが彼には喜ばしいようだ。がんばりすぎる妻には夫から「いいかげんに生きよう」という言葉が効果的かもしれない。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます