safari万年筆との相性を考えた「帳簿用紙」の採用
コクヨのこだわりは、それだけに留まりません。中紙には、従来のキャンパスノート用の紙ではなく、コクヨが90年ほど前に作った「帳簿用紙」が使われています。この紙は、仕事で使われている筆記具が、万年筆の普及以前、付けペンの時代に作られた紙です。当時の付けペンは、万年筆のようにペン先にペンポイントが無く、カリカリとした書き心地の上に、紙の凹凸の影響を受けやすいものでした。そこでコクヨが、付けペンで書きやすいように滑らかな表面を持ち、インクが裏抜け、裏写りしにくい、しかもめくりやすく、長持ちするように厚手で、しかも沈み込みが無いように強く圧縮をかけた紙として開発したのが、この帳簿用紙です。 「帳簿用紙を使って作られたコクヨの帳簿は、実はまだ現役商品です。本当に昔ながらの、分厚いハードカバーの綴じノートで、A4サイズ、200ページで実売4000円前後で売られています。実は、キャンパスハイグレードという製品名で、帳簿用紙を使った無線綴じのキャンパスノートも細々と販売しています」と吉村さん。
この帳簿用紙、文具マニアには人気が高い良質な紙なのですが、これまで、カジュアルに使えて、万年筆のデザインにも合うノートがありませんでした。今回のLAMYとのコラボによるCampusソフトリングノートは、その意味でも注目の製品と言えるでしょう。
万年筆で書くと、滑り過ぎない適度な引っ掛かりと、しっかりとインクが紙に染み込む感じが気持ちよく、インクの色もキレイに出ます。厚手で太字の万年筆で書いても裏抜けの心配がないのも魅力です。
同様に、水性ボールペンやゲルインクボールペンでも、滲みも少なく、スイスイと書けるし、油性ボールペンのインクのノリも良いので、ほとんど筆記具を選びません。
特に、書いていて気持ちよかったのが、鉛筆やシャープペンシルでした。書いていて手に伝わる感触がとてもよく、線もクッキリと書けます。紙も厚手なので、色鉛筆によるスケッチなどに使うのも良いと感じました。
「やはりsafariと言えば万年筆なので、従来のキャンパスノートの紙も良い紙ですが、より万年筆との相性が良い帳簿用紙を選びました。綴じノートではなく、ソフトリングノートにしたのも、ビジネスではリングノートの方が使いやすいですし、実際、大人のユーザーにはリングノートの方が人気があることから選びました。ソフトリングノートにする事でコクヨの独自性も出せますし。実は、帳簿用紙でソフトリングノートを作るのは初めてだったので、うまくできるか心配だったのですが、うまくいって良かったです」と吉村さん。
safariとキャンパスノートの個性が正しく融合した大人のノート
リング部分が柔らかいため、筆記時に手に当たっても痛くない「ソフトリング」を採用。リングの色も表紙の色に合わせて、それぞれ違う色を使っている。全ページに「LAMY/Campus」のロゴが入っているのも高級感を演出する。
「あと、中紙をドット方眼にして、全ページにロゴを入れたことにも注目していただきたいです」と吉村さん。
「文字だけでなく、スケッチしたり、用途を限定せずにクリエイティブに使ってもらいたいという思いがあったので、絵などを描くのに邪魔にならないドット方眼を選んだんです。ロゴも、ちょっと特別感を感じてもらえるといいなと思って入れています。ホテルのネーム入り便箋のような高級感を感じていただけたらと思っています」