男のこだわりグッズ

「コクヨがコラボしたいって」「えっ、初耳…」不思議な縁からまさかの商品化、誕生秘話を聞く

コクヨを代表するベストセラー「キャンパスノート」と、LAMYを一躍世界的メーカーにした万年筆「safari」が、コラボ製品を発売しました。「書く」メーカーと「書かれる」メーカーのグローバルな融合で生まれた「LAMY/Campusソフトリングノート」について、コクヨに取材しました。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

コクヨのロングセラーにしてベストセラーである、ノートの一大ブランド「キャンパスノート」と、ドイツのLAMY社が生んだ、カジュアルに使える万年筆の先駆けにして世界的なベストセラー「safari」のコラボが実現したのは、文具業界的にはかなり大きなニュースでした。
 

コラボのきっかけは勘違いから

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コクヨ「LAMY/Campusソフトリングノート」935円(税込)。表紙色はイエロー、ホワイト、ブラックの3色。A5サイズ、ドット方眼罫(5mm)。内容量は50枚。2022年11月26日(土)より数量限定販売。

「最初のきっかけは、勘違いだったらしいんです」と、コラボのきっかけを話してくれたのはコクヨ広報の吉村茉莉さん。

「文具関係の展示会で、LAMYの本国の方と弊社の者が名刺交換をしたそうなんです。それは、本当に普通の挨拶だったんですけど、そのLAMY本社の方が、コクヨがLAMYとのコラボに興味があるそうだから、話に行ってみたら?みたいなことをLAMY Japanに伝えたそうなんです。それを受けたLAMY Japanでは、何だか勘違いっぽいなあと思いつつ、コクヨにコンタクトを取って、やっぱり単なる挨拶でしたということが分かったんですけど、せっかく良い縁が結ばれたし、何かできたら面白いですね、と話が盛り上がったという、緩いところからの始まりなんです」
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筆記具メーカーのLAMYを代表する「safari」と、ノートなどの書かれる道具を得意とするコクヨの人気商品「キャンパス ソフトリングノート」の、国境を越えたコラボレーションが実現した。

コクヨと言えば、ノートを始めとする「書かれる」プロダクトを多数発売しているメーカーで、LAMYは「書く」プロダクトの世界的ブランドです。しかも、どちらも歴史のあるメーカー同士だし、親和性はありそうというところから、2022年の1月頃から企画はスタートしました。

「キャンパスノートでやることは、割と早い段階で決まったそうです。最初だし、あまり捻った物や奇をてらった物より、お互いを代表するプロダクト同士でやろうという話だったそうです」
 

両社をつないだ「Less is more」の精神

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両社共通のコンセプトは「Less is more」。白地に白のロゴなど、シンプルに、しかし豊かにデザインされた製品ができ上がった。

そうして始まったコラボレーションですが、そこは、両社ともに、モノ作りのメーカーですし、コクヨ側としても、担当デザイナーがLAMYのファンだということもあるのか、実際に使ってみても、かなり力の入ったプロダクトになっているのが分かります。表紙の色は、「LAMY safari」のアイコン的なカラーである黄色に黒のロゴと、白に白のロゴ、黒に黒のロゴの3色。

「今回のコクヨ側のデザイン担当者が、コラボに当たって最初にイメージしていたのが、ミース・ファン・デル・ローエの『Less is more』という言葉でした。LAMYと言えば、バウハウスの影響を強く受けたメーカーですし、自分たちも、モノを作る上で、バウハウスの校長でもあったミースの言葉をとても大事にしているということもありました。それで、黄色はサファリを象徴する色だという認識が両社にあってスンナリ決まったみたいですが、他の色は、あまりカラフルにするより、Less is more(少ない方が豊かであるといった意味)を体現するようなデザインが、大人にも使ってもらいやすいのではないか、という考えで、モノトーンの白と黒になりました」と吉村さん。

キャンパスノートというと、どうしても学生向けのノートというイメージが強いけれど、今回は、大人にも使ってもらいたいというコクヨ側の考えと、LAMY本社のあるドイツやヨーロッパでは、safariは学生向けの筆記具というイメージなのが、日本では大人向けの筆記具になっていることもあって、学生層にもアピールしたいというLAMY側の考えが、上手くハマる感じで、学生向けのキャンパスノートを大人にもビジネスで使ってもらえるノートというコンセプトになったわけです。
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表紙と裏表紙は、黄、白、黒、それぞれの色に合わせて、素材やロゴの印刷、仕上げなどの仕様を変えている。実際に触って、質感を確認して欲しい。

「デザイン面では相当凝っていて、この3種類の表紙、全部仕様が違うんです。黄色は厚手の板紙に特色で印刷した後、ロゴにはUVコーターニスで高光沢なツヤを、板紙には、ざらっとしたエンボスの様な質感を乗せています。サファリの色だけでなく光沢のある質感も再現しました。白は透明のPPシートにシルク印刷でロゴを刷って、その上に厚盛りのUVツヤニスを乗せています。実は白が一番手間がかかっています。黒は、不透明のPPシートに厚盛りのUVツヤニスのみで表紙のグラフィックを仕上げました」と吉村さん。

筆者は愛用している「白軸に赤クリップのsafari」を合わせたいこともあって、白表紙が気に入っています。白ではなく実は透明というギミックも面白いし、ロゴのツヤ感も良いのです。

>次ページ:デザインだけじゃない! 書き心地も追求したコクヨのこだわり
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