ホームボタンが廃止となり「iPad Air」のような全画面デザインになったり、LightningコネクタからType-Cコネクタに変更になったりと、仕様面での変化が目立ちました。
しかし、そんな中で大きな矛盾が1つ起こっており、これはかなりのマイナスポイントなのでは?と感じています。それが、対応している「Apple Pencil」の問題です。
「iPad(第10世代)」は「Apple Pencil 第1世代」のみ対応
新型のiPad(第10世代)では、Apple Pencil は第1世代にのみ対応となりました。つまり、Apple Pencil 第2世代を使用できないのです。「まぁ、Apple Pencilが使えるなら別に――」と、一見するとあまり大きな問題ではなさそうにも見えますが、個人的にこれは大問題のように思えます。
充電形式の違いに大きな差
第1世代と第2世代において、「書き味」という点においては、そこまで大きな違いはありません。しかし「使い勝手」に大きな差があります。中でも筆者が気にしているのが、充電方法の違いです。第1世代はペンのお尻にキャップが付いており、これを外すとLightningケーブルの端子が出現。これを直接iPadに挿すことで、Apple Pencilの充電ができます。 一方の第2世代は、磁力による充電。iPadの横にくっつけるだけで充電できるようになっています。 これを、最新のiPad(第10世代)に当てはめてみると、充電方法が噛み合っていないのに気がつきます。
Apple Pencil 第1世代はLightning端子に挿し込むことで充電できます。しかしiPad(第10世代)はLightningケーブルが廃止となり、Type-Cでの充電になりました。つまり、iPad(第10世代)では、Apple Pencil 第1世代の充電ができないということです。
この事実はもちろんAppleも認識しており、これを補完するために「Lightning ←→ Type-C」を変換するアダプタが同時発売されました。
アダプタを介さないと充電できないのは十分“不便”である
この仕様を「ちょっと我慢するだけでしょ」と考えていると、現実とのギャップで「あれ、こんなはずでは」と後悔してしまうかも。この点についてはしっかりと熟考してから買うことをおすすめします。■外出先のトラブルが容易に想像できる
iPadは外に持ち出して使うケースが非常に多いガジェットです。しかし、Apple Pencilを充電するためだけに、アダプタという余計なアイテムを常に持ち歩かなければなりません。
「小さなアダプタ1つなら問題ない」というわけにはいきません。絶対に「あっ、家に忘れてきた」「あっちのカバンに入れっぱなしだった」といったトラブルは起こりえます。
そんなときに充電する手段を持たず、せっかく持ち出したiPadでApple Pencilが使えない。そんな悲しいことはありません。
■家で使っていてもわずらわしさは拭えない
自宅で使うとしても、充電のたびにアダプタが必要というのは、おそらくわずらわしく感じることでしょう。
リラックスしながらiPadを使っていたら、Apple Pencilのバッテリーが切れそうになったので充電しようと席を立った。机に向かい、引き出しの中にしまってあるアダプタを手に取り、席に戻ってApple PencilをiPadに挿す。
この手順を想像すると、お世辞にも「手軽」とは言い難いかと思います。
■充電中も不安定で使いづらい
Apple Pencil第1世代の充電方法も問題です。iPadに突き刺さった状態は非常に不安定で、どこかに引っ掛けてしまったらコネクタ部分が曲がってしまいそうです。
筆者は過去にiPad(第8世代)を使っていたことがあり、そのときにApple Pencil 第1世代を使っていたのですが、当時もこのApple Pencilの充電方式には違和感を感じていました。
「生活に馴染むかどうか」がiPadでは重要
iPadはMacとiPhoneの中間にあり、使い道がとてもふわっとしてしまいがちなデバイスだと感じています。ですので「あれ……これスマホでいいかも」と思うことが増えていくと、途端に出番が減っていってしまいます。筆者はそれで、何度もiPadをタンスの肥やしにしてきてしまいました。そういう苦い過去があるからこそ、iPadでは「快適さ」こそが重要だと思っているのです。
iPadを長く使い続けたいのであれば、性能やスペックばかりに目を向けるのではなく、ぜひ「使い心地」にも注目してもらいたい。自分の日常と照らし合わせてみて、馴染みそうかどうかを吟味してもらいたいと思います。
iPad(第10世代)は、スペックとしては非常に優秀です。しかし「性能が良い」=「良いデバイス」ではないということは、ぜひ覚えておいてください。