その茹で方は、従来であれば「鍋で茹でる」というのが当たり前でしたが、近年はそれ以外の方法も使われることが増えてきました。それでは果たして、麺類は鍋で茹でなくてもいいのでしょうか? 今回は、麺類の茹で方の違いで出るメリット・デメリットなどをご紹介します。
麺を「鍋のたっぷりのお湯で茹でる」ことのメリット
麺類のレシピで「たっぷりのお湯で踊らせるように茹でる」というフレーズを見たことがある人も多いのではないでしょうか。従来の茹で方は、鍋にたっぷりお湯を入れ、その中で麺が文字通り踊るように茹でる方法が推奨されていました。鍋で茹でることのメリットには、塩分が含まれる麺類の場合、たっぷりあるお湯の中で踊るように茹でることによって、塩分が適度に抜けて、ふっくらと茹で上がるという点があります。
デメリットとしては、お湯がたくさん必要ということと、お湯が湧くまでの光熱費がかかるという点があげられます。
調理器具も充実! 電子レンジで麺類を茹でることのメリット
近年、100円ショップやプチプライスショップなどでも、電子レンジでスパゲティを茹でるためのアイテムが売られています。お湯を入れて利用する場合は、指定されている茹で時間、麺を電子レンジで加熱。水から茹でる場合は、600wで麺の茹で時間にプラス5分など、製品ごとに電子レンジで加熱する目安の時間が表示されています。このような電子レンジで茹でるメリットには、少ない量の水で麺類を茹でられることや、容器の内子がザルになっているものが多いので、そのまま湯切りできるという点があげられます。
フライパンで麺を茹でることのメリットは?
それ以外に茹でる方法として挙げられるのは、フライパンを使う方法でしょう。フライパンで茹でるメリットは、少ない量の水で茹でられること。そして水が少ないためお湯になるまでの光熱費やガス代、IHなら電気代も節約できるという点です。また素麺など、鍋だと吹きこぼれやすいものも、フライパンで茹でるとその形状のおかげで吹きこぼれを防ぐことができます。
デメリットとしては、スパゲティを作りたいけれどフライパンが一つしかない場合、ソースとなるものをフライパンで作ることができないという点が挙げられます。
向かない麺も!? より節約になるフライパンでの茹で方と注意点
麺のパッケージに茹で時間が指定されていますが、これはなにも100度の沸騰した状態でなくても茹でることは可能です。フライパンに蓋をすれば温度が下がりにくくなるので、沸騰したお湯に麺を入れて1~2分だけ加熱し、あとは火を止めて蓋をして指定の時間まで待つことで茹でることができるのです。ポイントは、麺を入れて最初の1~2分は麺どうしがくっつかないように、菜箸などでほぐしてあげることです。なお、厚みのあるフライパンであれば保温効果が高いのですが、薄いフライパンの場合はお湯が冷めやすいため、その場合は加熱時間を増やしたほうがよいでしょう。
一般的な茹で方であれば、たっぷりのお湯を使って加熱し続けますが、このフライパンで最初だけ加熱して茹でる方法で作った場合、味はどうなのか気にかかるところではないでしょうか。
もう15年ほど前ですが、筆者が某お昼の情報番組で、この茹で方を紹介した際に、人気のイタリアンレストランのシェフに味見をしてもらったことがありました。そのときのシェフの感想は「ふつうにおいしい」でした。
もちろん忖度(そんたく)があるとは思いますが、少ないお湯で短時間の加熱で茹でたものも、従来の茹で方と大きな味の差というのはないものなのです。味に敏感な方は茹で方の違いを感じるとは思いますが、「おいしくなくて食べられない」というほどではないはずです。
ただし、太めのうどんや粉がたっぷりついた蕎麦などは、従来の茹で方で茹でたほうがおいしいように筆者は感じています。とくにたっぷり粉がついている麺類は、その粉を落としつつ茹でられていくので、粉の落ちが悪いとトロッとした食感になってしまいます。
調理したい麺類にあわせて、ぜひいろいろと試してみてください。