通勤車両やローカル車両も魅力的な九州
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ブラックフェイスの通勤電車817系。シックないでたちだ |
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通勤電車817系の車内は魅力的だ。こんな車両に毎日乗れたらと思う。 |
九州の車両は何も優等列車だけが優れているのではない。ローカルな車両にだって魅力は一杯だ。各地の電化区間を走っている通勤通学用電車にもハッとするものがある。
前面ブラックフェイス、側面真っ白の車体は、北欧デンマークの車両を連想するが、車内のインテリアは破格のものだ。板張りの座席に張り付けた黒の革張りシートはデザイン、座り心地ともに普通列車とは思えない贅沢さと洗練された味わいだ。ドア付近の吊革の配列も環になった洒落たものだし、こんな素晴らしい車両が通勤型とは驚くと共に、九州各地で毎日乗れる人たちが羨ましくなる。
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阿蘇外輪山をバックに走る豊肥本線の各駅停車の列車 |
ローカル線のディーゼルカーも赤や黄色といった原色の明るいボディーが刺激的だが、車内もカラフルで乗り心地もよく、薄汚く油臭かったディーゼルカーの面目を一新し、電車と遜色のない車両となった。
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最西端の駅・たびら平戸口(長崎県)に到着した松浦鉄道の列車 |
日本列島の南に位置する九州は、本土の路線ネットワークの南西部を構成する。それで、最南端、最西端といった位置づけの駅が存在する。沖縄モノレールを除くという限定付だが、JR最南端の西大山駅(指宿枕崎線・鹿児島県)、本土最西端のたびら平戸口駅(松浦鉄道・長崎県)はモニュメントも建ち、観光名所にもなっている。最果ての地を制覇したいという気分は誰にもあり、現地に立てば達成感を味わえることであろう。
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中国・四国・九州は路面電車の活躍する街が多数ある。広島、岡山、松山、高知、熊本、長崎、鹿児島と枚挙にいとまがない。写真は長崎市電の最新型低床式電車 |
JR以外の鉄道では、福岡近郊の西鉄、旧国鉄やJRから分離した第三セクター鉄道も多い。平成筑豊鉄道、甘木鉄道、松浦鉄道の一部の区間のように驚異的な本数の列車を走らせ、利便性を追求している路線から、肥薩おれんじ鉄道、南阿蘇鉄道、くま川鉄道のように観光に力を入れている路線まで賑やかな状況である。鹿児島、熊本、長崎の市電も元気なので、都市散策から山間部に至るまで、できるだけ鉄道を利用して地域の活性化にもつなげたいものだ。
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<参考文献>
・デザイン満開 九州列車の旅