斬新な車両デザインが注目、九州の鉄道旅行
|
「リレーつばめ」「有明」に使われている特急電車 |
|
「白いかもめ」として人気の高い車両。どこか日本離れした垢抜けたデザインは、ドイツ新幹線ICE3(下の写真)と似ているとよく言われる |
|
水戸岡鋭治さんデザインの車両に熱い視線が注がれるJR九州。代表的なものとして、新幹線「つばめ」(新八代~鹿児島中央)を始め、グレーでメカニカルな車体がユニークな「リレーつばめ」(博多~新八代)、ドイツの新幹線ICEを彷彿とさせる日本離れしたスマートな流線型の「白いかもめ」(博多~長崎)「白いソニック」(博多~大分)(正式の列車名に「白い」は付かない)、ロボットのような「青いソニック」など個性的な列車が、博多を起点に九州各都市に向かっている。
外観がカッコいいだけでなく、車内インテリアも上質な応接間のようなここちよさで満足できるし、ゆとりの空間としてのギャラリーが通路にあったりと驚くことばかりだ。
|
|
特徴ある姿の由布岳をバックに由布院付近を走る「ゆふいんの森」 |
火山の多い九州は温泉も豊富だ。こうした観光地へも鉄道が便利である。今や別府よりも人気の湯布院(由布院)へは、緑のネオ・クラシック調の「ゆふいんの森」(博多~久留米~由布院・別府)が走る。木を多用したゆとりの空間は、博多で乗車したときからリゾート気分に浸れるムード満点の車内だ。
|
阿蘇外輪山をバックに赤水駅に到着した「九州横断特急」 |
「九州横断特急」(人吉~熊本~阿蘇~大分~別府)も阿蘇の雄大な車窓や急流・球磨川の景勝が楽しめる列車だ。古い車両を改造したものなので、大した車内設備はないが、ミニ前面展望スペースを設けるなどの苦心のアイデアは評価したい。
|
吉松駅に到着した「はやとの風」(右)から「しんぺい」(左)に乗り継ぐ観光客たち |
観光特急「はやとの風」(鹿児島中央~吉松)から吉松で普通観光列車「しんぺい」(吉松~人吉)に乗り継げば、日本三大車窓と言われる霧島連峰の絶景が待っている。車窓ポイントでは停車してアナウンスもある親切ぶりで、鉄道旅行の初心者でも安心して楽しめる。スイッチバックやループ線といった山岳鉄道特有の施設も体験でき、魅力溢れるルートだ。
2009年春には、SL列車が熊本~人吉間の球磨川沿いの路線で復活する。鹿児島まで九州新幹線で往復するのは避け、片道は古き良き時代を彷彿とさせる「汽車旅」に浸ってはどうだろうか。
こうした列車には、魅力的な女性客室乗務員が乗り込んでいる。ガイドや車内販売のみならず、記念撮影のお手伝いなど笑顔で対応してくれる。これもJR九州の鉄道旅行の魅力のひとつだ。