いよいよ西九州新幹線「かもめ」に乗車
いよいよ発車。5号車が空いていたので、進行方向右側の窓側E席に陣取る。海が見えるかどうかを確かめるためでもある。佐世保線の単線の線路と分かれ、左にゆるやかにカーブしていく。山間部に差しかかり、あっという間にトンネルに入る。西九州新幹線も他の新幹線同様トンネルが多く、全区間の60%ほどが闇の中だ。車内は揺れが少ない。「白いかもめ」は振り子車両だったので、急カーブを走行するときは揺れが気になり、立ち歩くのはトイレに行くとき以外は避けていたが、さすが新幹線車両は高速でも安定している。短いトンネルとトンネルの間では人跡未踏の山間部を駆け抜け、高速道路を跨いでさらにトンネルを抜けると減速して最初の停車駅・嬉野温泉に到着する。ここまで僅か5分だ。
・嬉野温泉駅に到着 嬉野温泉駅は、西九州新幹線の開業区間では唯一、他の鉄道と乗り換えができない単独駅である。実は、嬉野市内にはかつて路面電車と軽便鉄道が走っていた。しかし、どちらも1931年に廃止されたので、市内では91年ぶりの鉄道復活だと話題になっている。しかも、新幹線の駅ができたので、さぞかし「嬉しいのう」と喜んでいることだろう。
・全席でコンセントが使える 嬉野温泉駅を発車すると、トンネルが連続する。車窓が楽しめないとスマホやタブレットを見てみたくなるが、幸い、「かもめ」の全席にはコンセントが配備されている。この車両はN700Sという東海道・山陽新幹線の最新型車両をアレンジしたものであり、コンセントに関しても同様のサービスを行っている。
・「かもめ」独自のインテリア
さらに「かもめ」独自のインテリアとしては、水戸岡氏の描いた「かもめ」のカラフルなイラストや沿線の名産品や名所の案内展示があって、車内に潤いを与えている。
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