秋の雑貨見本市で見つけた文具と小物たち
毎年9月は、雑貨関係の秋の見本市がこぞって開催されます。特に、東京インターナショナル・ギフト・ショー秋、LIVING&DESIGN、大日本市、EXTRA PREVIEWなどの大規模な展示会で発表される製品は、クリスマス商戦や来春の注目商品となるケースも多く、2022年も多くのバイヤーで賑わっていました。ここ数年のコロナ禍で少なくなっていた出展社も、今回は例年並になり、来場者も増え、雑貨業界も活気を取り戻し始めています。今回は、それらの展示会で見つけた、文具や財布などの小物類から、注目の製品を紹介します。
まるでオブジェのような美しさのブロックメモ
伊藤バインダリー「メモブロック S」(107×107mm)1100円(全て税込、以下同)、「ブラック メモブロック S」(107×107mm)2200円、「メモブロック M」(150×107mm)1320円、「ブラック メモブロック M」(150×107mm)2640円、「メモブロック L」(257×75mm)1540円、「ブラック メモブロック L」(257×75mm)3080円。販売サイトはこちら(※1)。
ほとんど、紙の層が見えず、まるで一つの立体物にしか見えない上に、触ってみてもツルツルなのです。しかし、もちろんメモ用紙が重なっているだけなので、一枚一枚、メモとして使えます。なので、置いてあるだけでも、インテリア的に見えながら、役に立つという製品なのです。
特に、ブラックのタイプは、研立ての刃でないとこの美しさに仕上がらないそうで、その分、価格も高くなっています。また、ブロックメモでは珍しい、横長のLサイズ(257×75mm)も用意されています。
・見た目も機能性も抜群の「ノートパッド」
伊藤バインダリー「ドローイングパッド」は、表紙の無いシンプルなノートパッド。ものすごく美しく切り取ることができる。A6(990円)、A5(1320円)、A4(1540円)、B4(2090円)、A3(2640円)の5サイズ展開。
こちらは、取材時などに使ってみたくなる製品。A3やB4といった大判の製品も用意されているので、会議やアイデア出しにも役立ちそうです。何より、表紙の無い合理性と見た目の美しさが両立しているのがうれしいですね。
アイデアとデザインが融合したクリップとボールペン
フードマーク「ichi-clip」。公式サイトはこちら(※2)。
・「消費期限がない製品を作らなければ」 コロナ禍で売り上げが落ち、特に消費期限があるものについて、売れ残ったものをどうするかなどの問題を前に、「消費期限がない製品を作らなければ」と思い立ち開発したとのこと。シンプルな形ですが、使ってみると、とても良くできていました。
スプリングの一部をクリップにしたような構造は、針金を筆記体の小文字のL字型に曲げただけのようですが、これで、厚いものから薄いものまで、きっちりととじてくれます。
また、ゼムクリップと違い、すでにとじてある紙束に追加したり、一部だけ抜き取るといった作業がとても楽なのです。挟む際も、挟み込む部分の長さが同じなので、ゼムクリップのように指で一度開いてやらないと綴じられないといったことがありません。「ゼムクリップを上手く使えなかった」という社長自らが開発しただけあって、筆者のような不器用な者にも使いやすいクリップになっています。
・ぺんてるの名品「エナージェル」の別注品が登場
クラフトデザインテクノロジー「エナージェル ノック」352円。公式サイトはこちら(※3)。
グリップの色も変えてあり、統一感のあるデザイン。「エナージェル ノック」は、エナージェル発売20周年限定のBlack Colours Collectionもそうでしたが、軸を樹脂にするだけで、かなりイメージが変わるのが面白いのです。
・雪国のブナを使ったスタイリッシュな木製トレイ
ストーリオ「ペントレー」5940円。色はナチュラルとブラックの2色。186×75x15mm、約50g。素材はスノービーチ(雪国のブナ)を使用。販売サイトはこちら(※4)。
少し浮いて見えるようなわずかに湾曲したフォルムがカッコいいのです。しかも、その湾曲のおかげで、置いたペンを手に取る際に、自然に掴むことができます。書く、考える、また書く、といった作業にぴったりのトレイになっているのです。
また、普段使うボールペンや万年筆などに合う、コンパクトなサイズ感も良いですね。流行りのガラスペン置きとしても活躍します。
これからの財布を考えた「未来型ウォレット」
ミワックス「コンパクト ウォレット」1980円。色はグレー、ナチュラルの2色。サイズは95x65x27mm。販売サイトはこちら(※5)。
樹脂のケースに二つ折りにしたリサイクルレザーを入れることで三層構造にして、紙幣、カード、コインを分けられるというアイデアが見事。どこに何を入れるかはユーザー次第で、つまり、今、財布に何を優先して入れるのがベストか、というライフスタイルに合わせて使えるというわけです。
・ありそうで意外にない「カード型キーケース」
染谷商店「カード型キーケース」770円。公式サイトはこちら(※6)。
・樹脂製なのに出し入れがスムーズ!
染谷商店「コンビニエンスウォレット(フラット)」4180円。公式サイトはこちら(※7)。
・糸も金具も使わない“革だけ”の財布!?
KOTOTSの「オリサイフB」は、このように縫製せずに折りとはめ込みだけで、財布を仕立てている。金具類ももちろん使われていない。公式サイトはこちら(※8)。
実際に触ってみると、本当にしっかりとしています。縫いの場合、糸の強度が財布の強度になりますが、この場合は、革に革がはめ込まれているので、革の強度が財布の強度になります。そう思うと、かなり丈夫だと考えて良さそうです。
・キャッシュレス時代ならではの機能も また、カードケース部分に差し込んで使える「サイフカード」というコインケースが用意されているのも良いですね。
使う人によって、コインケースを別に持っても良いし、このように財布の中にコインケースを内蔵してもよいという選択肢ができるのが素敵です。この構造もまた、キャッシュレスの普及と財布の必要性の過渡期の製品ならでは。今後、このように、ユーザーに選択肢を与えるスタイルは財布のスタンダードになっていくのだと思います。
【参考】
※1:伊藤バインダリー 販売サイト(https://itobindery.theshop.jp/)
※2:フードマーク 公式サイト(https://www.foodmark.co.jp/)
※3:クラフトデザインテクノロジー 公式サイト(https://www.craftdesigntechnology.co.jp/products/1967)
※4:ストーリオ 販売サイト(https://storio.jp/products/pen_tray)
※5:ミワックス 販売サイト(https://miwax.jp/product/compact-wallet.php)
※6・7:染谷商店 公式サイト(https://www.someya-shouten.jp/sugataproduct)
※8:KOTOTS 公式サイト(https://www.kotots.com/)