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国葬費「16億円」の内訳は? 過去の合同葬の国費はいくら? 国民1人あたり負担は13円だが…

戦後4番目となる国葬が2022年9月27日に実施されます。政府によれば国葬費は約16億6000万円に上るとのこと。その内訳はどうなっているのでしょうか? また財源はどうなるのでしょうか? 解説していきます。

伊藤 亮太

執筆者:伊藤 亮太

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安倍晋三元内閣総理大臣の国葬費が約16億円に上ると公表された

戦後4番目となる、安倍晋三元内閣総理大臣の国葬が2022年9月27日に実施されます。政府によれば国葬費は約16億6000万円に上るとのこと。その内訳はどうなっているのでしょうか? また財源はどこなのでしょうか? 過去の葬儀費用も確認しつつ、気になる国葬費について、解説していきます。
 

安倍晋三元内閣総理大臣の国葬費「16億円」の内訳

安倍晋三元内閣総理大臣の国葬にかかる費用について、政府は概算で16億6000万円ほどかかる見通しであることを公表しました。

政府によれば、2022年度予算の予備費からすでに支出を決めている2億5000万円とは別に、警備費用として8億円程度、外国要人の接遇費として6億円程度、自衛隊の儀じょう隊が使用する車両の借り上げなどに1000万円程度、合計で16億6000万円とのことです。

これらの費用は、あくまで見積もりであり、外国要人の人数などにより変動することになるかもしれません。まずは政府が出した金額が妥当なのかどうか、しっかり国会で議論される必要があるでしょう。
 

過去の合同葬の国費はいくらぐらい?

戦後に国葬された日本人は、実は3人しかいません。1951年の貞明皇后、1967年の吉田茂、1989年の昭和天皇です。安倍晋三元内閣総理大臣の国葬は、内閣総理大臣経験者としては実に55年ぶりの国葬となります。

なお、これまでに亡くなった内閣総理大臣経験者の葬儀は、内閣や衆議院、所属政党の合同葬という形で行われるケースが多く、国葬は極めて稀なケースであることが分かります。

それでは、過去の合同葬の費用はどのぐらいだったのでしょうか。物価の違いなどがあるため、一概に比較は難しいものの、1988年の三木武夫元内閣総理大臣の場合、国費(税金)として約1億2000万円。その他の総理大臣経験者の場合はさらに低い金額で行われており、合同葬の場合、国費としては1億円程度が目安といえそうです。

国葬となるとそもそもスケールが異なるため、やはりそれ相応の費用がかかり、合同葬のようにはいかないとはいえるでしょう。
 

国葬費は誰が負担する? 国民1人あたり13円ほどではあるが……

それでは、国葬の費用は誰が負担することになるのでしょうか。過去のケースから推測してみましょう。

2020年に行われた中曽根康弘元内閣総理大臣の合同葬の場合、内閣と自由民主党負担が9940万円、公費(国費、税金)が9360万円となっています。合計で1億9300万円です。

仮に中曽根康弘元内閣総理大臣と同じような合同葬であれば、税金でまかなわれる部分は半分程度ということになります。しかしながら、今回は国葬ということで、全額が税金でまかなわれる見通しとなっています。

つまり、16億6000万円全額が税金で支払われる見込みなのです。なお、どの税金から支払われるというものではなく、私たちが支払う税金のうち目的税化されていない部分からの支払いになることでしょう。

国民1人あたりで見れば、13円ほどと大きな負担に見えないようにも思えるものの、税金で行われる点に反対する意見が多いように見受けられます。

安倍晋三元内閣総理大臣は、憲政史上最長の8年8カ月にわたって政権運営を担った人物であるものの、国葬を実行するのであれば費用の内訳を明確にし、しっかりとした説明を行いながら多くの方が納得する状況にしていただきたいものですね。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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