猛暑の夏、エアコンの仕組みを正しく理解して節約を
12カ月連続で値上がりしている電気代、さらには6月から酷暑といわれる日があるほどに暑いこの夏。暑いのは我慢したくないけれど、エアコンの電気代も気になるという方は多いでしょう。熱中症にならないためにも、エアコンの温度管理は大切。しかしエアコンは消費電力が多いのも事実です。そのためにも上手に節電になる使い方をしたいところ。今回は、誤解されている可能性があるエアコンの節電の仕方についてご紹介します。
「冷房」よりも「除湿」のほうが電気代が安い?
「冷房よりも除湿のほうが電気代が安い」という話を聞いたことがある方もいるでしょう。しかし、これは使用しているエアコンの機種によって違いがあり、むしろ冷房よりも除湿のほうが電気代がかかってしまうものもあります。ポイントとなってくるのは、除湿の方式。エアコンの除湿には「弱冷房除湿」と「再加熱除湿」という2種類があります。
エアコンを冷房運転していると、室外機の横のドレンホースから水が出ているのをご存知の方も多いと思います。エアコンの冷房は空気中の水分を取り除いて室温を下げているため、冷房と同時に除湿もしているのです。そのため「弱冷房除湿」は、冷房としてガンガン冷やしている使い方と比べると「弱」になり、消費電力が少ないので電気代も安くなります。
一方「再加熱除湿」というのは、一度温度を下げて除湿し、再度加熱をするという働きがあります。部屋の除湿をするために、エアコン内部の熱交換器で一度温度を下げないといけないのですが、そのままでは冷えた空気が出てしまうため、下がりすぎた空気を温めて室内に戻しているのです。まだ暑くない時期に除湿だけしたいというときには有効ですが、温度を下げて除湿をし再度加熱して温かい空気を出すという作業になるため、消費電力がその分多くなり電気代もかかってしまうのです。
エアコンの除湿が「弱冷房除湿」か「再加熱除湿」かは、取り扱い説明書などを見て確認しましょう。リモコンに表示されている文字が「除湿」「ドライ」だけならば「弱冷房除湿」、「カラっと除湿」や「さらら除湿」など除湿になんらかの特徴が記載されていれば「再加熱除湿」の可能性が高くなります。 外気温や湿度によって多少の違いはありますが、平均的な状況では、「弱冷房除湿」<「冷房」<「再加熱除湿」とかかる電気代が違ってくるのです。
風量は「弱」が一番節電になる?
エアコンを上手に使うには、設定温度だけでなく風量の調整も必要になってきます。同じ設定温度の場合、「風量強」よりも「風量弱」のほうが節電になるというのは容易に想像できるかと思います。風量弱の場合、設定温度の状態を保ちながら、ずっと弱で運転をし続けます。 しかし多くのエアコンの場合「風量自動」にすると、リモコンの風量設定にはない「微風」ほどの風量で運転をしてくれます。設定した温度を微風で保ち、暑くなってきたら風量を強くして設定温度にするという働きです。そのため風量自動にしておくほうが、風力弱で運転を続けるよりも電気代の節約になる場合が多いのです。
電気代高騰の中での暑い日々。電気代を上手に節約しながら快適に過ごしたいですね。