■調査概要
・集計期間:2022年1月14日~1月17日
・調査方法:インターネット集計
・調査対象:全国の20代~50代の男女 各650名(10歳階級) 合計5,200名
理想的なセックスの頻度、挿入時間は?
■理想的な性行為の頻度は?前回の記事で、20~40代男女の約半数が自身の性生活についてセックスレスと認識していることがわかった、というデータをお伝えしました(男性の”現役”は何歳まで?ED・セックスレスの調査結果と生涯現役のコツ)。
今回、男女5,200人に「理想的な性行為の頻度」について聞いたところ、男性は週2回、女性は週1回が最多であることがわかりました。 具体的に結果をみていくと「週2回以上」と回答した男性が約半数の47.9%、女性は23.1%と、男性のほうが回数を求めていることがわかります。
一方、「性行為は無くてよい」と答えた人は、男性4.9%に対して女性17.2%と大きな差が。その比率は女性の場合、20代から年齢を重ねるごとにゆるやかに上昇し、50代女性になると約4人に1人(26.5%)が性行為を「無くてよい」と考えていることも見えてきました。
■早漏かどうかの境目は挿入から5分?
では、次に多くの男性が気にしているであろう早漏/遅漏についてみていきましょう。
「早漏だと感じるのは挿入から射精まで何分くらいだと思いますか」と質問したところ、男女ともに早漏だと感じるのは「1~3分未満」が最も多いことがわかりました。 女性の声を見てみると、「5分未満」が全体の84.5%と、大半の女性が5分以上であれば早漏と感じていないことがわかります。つまり、早漏を克服したい男性は「5分」を目指せばよいといえるでしょう。また、現在3~5分程度で射精している男性の場合であれば、深刻に悩まなくてもよいのかもしれません。
■挿入から15分が遅漏の分岐点
「遅漏と感じる時間」についてはどうでしょうか。女性が考える遅漏の時間は、「20~30分」(23.6%)をトップに、「15~20分」(18.4%)「30~40分」(17.8%)と続き、これだけで約6割となっています。一方で、「15分未満」と答えた女性が26.7%だったことも踏まえると、挿入後15分程度が、遅漏と感じられる分岐点と考えられそうです。 また、世代別で見ると、年を重ねるごとに15分未満でも遅漏だと感じる女性が増える傾向にありました。理想的な挿入時間の調査でも、女性は年を重ねるごとに短い時間を求める傾向があったので、年齢によっては挿入時間を短めにしたほうがいいのかもしれません。
■理想的な挿入時間とは?
では、結局どれくらい挿入するのが理想的なのでしょうか。 「愛する異性との性行為中の理想的な挿入時間」について聞いたところ、男性は10~15分(26.6%)、女性は5~10分(24.6%)という回答が最も多く、もちろん個人やカップルにより差はあるでしょうが、男女で違いがあることがわかります。
また、理想的な挿入時間は「5分以内」と答えた女性も男性の約3倍となるなど、男女で大きな差があることがわかります。この傾向は年齢を重ねることによっても広がります。女性は年を重ねるごとにより短く、男性はより長く時間をかけたいと考える傾向があるようなのです。
さらに「挿入は無くて良い」と答えた女性が13.8%と、男性(5.5%)の約2.5倍も。最初にご紹介した「性行為は無くて良い」と答えた女性(17.2%)の割合とあわせてみても、見逃せない数値となっています。
男性が考えるほど、女性は男性器の大きさを気にしていない?
次に、これも多くの男性が気にしているであろう、男性器の大きさについての調査結果を見ていきましょう。「勃起時の男性器の理想的な大きさ」について
・大きい方がよい(18cm以上)
・やや大きいほうがよい(15~17cm程度)
・普通サイズでよい(12~14cm程度)
・やや小さい方がよい(10~11cm)
・小さい方がよい(10cm未満)
の5段階と「大きさは気にしない」の選択肢で聞いてみたところ、男性は「普通サイズでよい」(38.9%)、「やや大きいほうがよい」(36.8%)、「大きいほうがよい」(12.2%)と続き、9割近くの人が平均以上の「大きさ」を求めていることがわかります。
一方、女性からは「普通サイズでよい」(44.4%)が圧倒的に多く、「大きさは気にしない」(27.7%)とあわせて7割以上の人が男性に比べてあまり大きさを気にしていないことが見えてきました。 ちなみに、「大きいほうがよい」と答えた女性はわずか3.3%。普通程度のサイズがあれば、男性が考えるほど女性は大きさを気にしていないことが可視化され、安心した方も多いかもしれませんね。
女性の性交痛についと前戯の関係
女性を対象に、「性行時に痛みを感じたことがあるか」と聞いたところ、なんと約7割が性交時に痛みを感じた経験があることがわかりました。また、そのうち約5割が「5回に1回以上」、さらに約2割は「5回に3回以上」と、性行為で痛みを感じている女性は、男性が思っている以上に多いようです。 さらに、性交痛の経験がある女性(1,752人)を対象に、「性交痛があった際の性的満足度」を聞いたところ、54.9%は「性交痛があると満足できない」と回答。一方で、86.9%は「性交痛がなくなれば満足度が高くなる」と答えました。つまり、女性が性行為で満足するためには、性交痛をなくすことが先決だということです。
■どうすれば性交痛をなくせる?
では、どうすれば痛みをなくせるのでしょうか。「考え得る痛みの原因について」、おなじく性交痛の経験がある女性(1,752人)に聞いたところ、「前戯が不十分で膣内のうるおいが不足している」(37.7%)、「前戯が下手、激しすぎる」(28.7%)など、「前戯」が大きな理由として挙げられました。
【回答者】「性行時に痛みを感じたことがあるか?」の質問で「痛みを感じることはない」以外を選択した女性「20代:456人」「30代:455人」「40代:417人」「50代:424人」 合計:1,752人
【回答者】「性行時に痛みを感じたことがあるか?」の質問で「痛みを感じることはない」以外を選択した女性「20代:456人」「30代:455人」「40代:417人」「50代:424人」 合計:1,752人
■愛するパートナーへの理想的な前戯時間は
「女性への挿入前の理想的な前戯時間」についても質問したところ、男女ともに「10~15分」が最多となりました。 ただし、「10分未満」と答えた女性(27.8%)は男性(21.3%)の1.3倍、「15分以上」と答えた女性(38.6%)は男性(49.1%)の8割程度となり、グラフを見ると10分程度を目安に、男女の比率が逆転。さらに「無くてよい」と答えた女性(11.1%)は男性(5.3%)の2倍以上と、数字だけを見ると男性の方が前戯に対する意識が高く、長く時間を取る傾向にあるということがわかります。
先ほどの性交痛についての調査で「前戯が不十分で膣内のうるおいが不足している」(37.7%)との声が多かったように、不十分な前戯は女性の性交痛にも繋がるため、女性のほうが前戯へのニーズが高いようなイメージもありますが、同じく「前戯が下手、激しすぎる」(28.7%)という回答も少なくなかった通り、過去に雑な前戯により性交痛を経験し「前戯は無くていい」「短くていい」と回答していることも考えれらます。
男性が前戯に時間をかけたつもりでも、それが雑で痛みが生じるものであれば苦痛なだけです。女性は過去の経験から、潜在的に前戯に対する期待値が下がっている場合も考えられます。男性の側からは「時間」よりも「質」を重視して、前戯と向き合うべきなのかもしれません。
今回は、性行為の頻度や挿入時間、射精までの時間(早漏、遅漏)、男性器のサイズ、女性の性交痛、前戯時間といった具体的な調査データから、男女の性交についての理想や、満足するために必要なことが見えてきました。挿入時間や男性器のサイズといったデータからは、男性が思い悩むほど女性は気にしていないことがわかり、安心した男性も多いのではないでしょうか。
次回は、男女のホンネにもう一歩踏み込んで、射精に至らない「性行為中の中折れ」についての経験について聞いた調査結果をもとに、中折れに対しての女性の反応や、有効な対策とされるED治療薬など、様々なデータをみていきましょう。
⇒次の記事へ:中折れ(ED)やED治療薬に対する男女の「ホンネ」実態調査
※参考情報:浜松町第一クリニック│性に関する男性と女性の「ホンネ」実態調査
https://www.hama1-cl.jp/internet_research/sexual_fact_finding.html