65歳からもらえる老齢基礎年金は繰下げ受給できないのですか？

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は老齢基礎年金の繰下げ受給についてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
 

Q：65歳からの老齢基礎年金は繰下げできないのですか？

「60代前半でもらえる特別支給の老齢厚生年金は、繰下げ受給できないそうですが、65歳からの老齢基礎年金も繰下げできないのですか？」（匿名希望）
   

A：老齢基礎年金は繰下げ受給できます

60代前半でもらえる特別支給の老齢厚生年金は、繰下げ受給はできません。一方で、質問にある老齢基礎年金は繰下げ受給ができます。

原則として老齢年金（老齢基礎年金・老齢厚生年金）は受給資格期間を満たすと、65歳から受け取れます。ただ、65歳から老齢年金を受け取らなくてもパートや貯金などで生活を維持できる人もいると思います。その場合は、年金の受け取りを遅らせる、つまり繰下げ受給することで、将来もらえる年金額を増やすことができます。老齢基礎年金のみ、老齢厚生年金のみ、または両方同時に繰下げ受給することが可能です。

特別支給の老齢厚生年金を受け取っている人の場合も、同様に老齢厚生年金と老齢基礎年金のどちらか、または両方を繰下げ受給できます。

66歳以降70歳までの間で年金の受給開始を繰り下げると、ひと月あたり0.7％ずつ年金額が増額します。2022年4月から繰下げ受給できる年齢が75歳まで引き上げられたので、最大プラス84％の増額率となります。2022年4月1日以降に70歳に到達する人（昭和27年4月2日以降に生まれた方）が対象です。それ以前に生まれた人は70歳まで繰り下げが可能です。


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監修・文／深川弘恵（ファイナンシャルプランナー）