今回は、All About編集部が実施した「IHとガスコンロ、どちらが経済的だと思いますか?」のアンケート結果を発表。実際の試算も交えながら節約アドバイザーである筆者がどのくらい安いのか解説します。
みんなの予想は?
500人に聞いた「IHコンロとガスコンロどちらがより経済的だと思いますか?」のアンケート結果は次の通りです。IHとガスコンロ、どちらが経済的?
・火の調節を勝手にしてくれるので無駄に火力を使わなくていい気がする(20代 女性)
・オール電化にして光熱費がかなり安くなったので。特にプロパンガスは高い(50代 女性)
・ガスは高いイメージ(20代 男性)
〇「ガスコンロが経済的」派の意見
・IHは加熱が弱く調理時間も長くなり燃費が悪いと思ったから(40代 男性)
・オール電化は高いと友人が言っていたから(30代 女性)
・ガスの方が電気より安い気がする(40代 男性)
オール電化で光熱費が安くなる原因はIHクッキングヒーターではなく、エコキュートなど電気の給湯器を深夜の安い時間帯の電力を使用して稼働させるため。
したがって、ガスコンロとIHクッキングヒーターそれぞれ単体で見ればガスの方が安いですが、家全体の光熱費でみたらどちらが安くなるかを考えて選んだ方がいいでしょう。
「電気代 vs ガス代」年間の光熱費を試算すると……
〇ガスコンロの料金省エネ性能カタログ2021版(175ページ)に載っている「ガスこんろグリル付(卓上形) 2口バーナー」で試算すると、年間の目安燃料使用量は「平均値57.3m3/年」です。
ガス料金は162円/m3(※)で試算します。
上記をもとに計算すると年間9282円(小数点以下切り捨て)となります。
※平成29年版 ガス事業便覧 平成28年度実績 供給約款 料金平均(合計平均)を45MJに換算 小数点第一位を切り捨て(税込)
〇IHクッキングヒーターの料金
日本電機工業会に記載されている情報によると、標準的な4名家族世帯にて、朝・昼・夕食時に標準的なメニューでIHクッキングヒーターを使用した場合の1カ月の電気代は約1020円(税込)です(JEMA・IH調理器技術委員会調べ)。
※電力目安料金は、全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価27円/kWh(税込)で算出
上記をもとに計算すると年間約1万2240円となります。
2958円ガスの方が安い計算となりました。
※IHクッキングヒーターを使っているご家庭はオール電化が多く、オール電化の場合夜間の電力単価が安い料金プラン(東電のスマートライフプランの場合AM1~6時までの場合単価17.78円/kWh)を採用していることがほとんどなので、IHクッキングヒーターを使用するのが夜間の場合はもっと安くなります。
※ガスは都市ガスでの算出です。プロパンガスは公共料金ではありませんので、明確な算出基準がありませんが、概ね都市ガスより1.5倍くらい高いので、LPを使用してる場合はIHより高くなる場合もあります。
結局どちらが経済的?
家庭で使用するエネルギーのうち約28%は給湯に使われています。そのため、オール電化の肝は給湯器であり、これがあるからオール電化はコストが安くなるのです。IHクッキングヒーターとガスコンロの単純比較であればガスコンロの方が安いですが、厨房の熱源がどちらが安いかだけで電気・ガスどちらがいいかを判断するのはナンセンス。家庭の用途別エネルギー消費は、給湯28.4%、厨房9.2%となっています。
また、IHは火力が弱いと思われがちですが、磁力線が直接鍋を発熱させるので、ガスより高火力で熱のロスも少ないです(同量の湯を沸かしてもIHの方が圧倒的に早いです)。
※アンケートは、下記条件で実施
・男女比:男性 136名/女性 358名/回答しない 6名
・年齢比:10代 2名/20代 105名/30代 177名/40代 120名/50代 72名/60代 21名/70代 3名
・アンケート実施期間:2022年1月27日~2月7日