積立王子が提案する老後のお金を増やす方法
中野:お金を増やす鉄則は、「長期・積立・国際分散」なんですよ。投資行動三原則と呼んでおりまして、セゾン投信の創業以来のお題目でもあるんですね。この三原則はどれも大事なんですけれど、特に今日は「積立投資」にフォーカスしたいと思います。井戸:積立で投資をするというのはすごく大事で、特に「iDeCo」や「つみたてNISA」は、ぜひ使っていただきたい制度ですね。なぜかというと、iDeCoもつみたてNISAも節税メリットがすごくあります。
iDeCoは特に、老後資金を目的に積み立てていく制度なんですね。2022年に改正があり、国民年金被保険者であれば、65歳未満まで加入できるようになります。掛金をおさめている間は、所得控除といって税金が安くなりますし、運用している間は非課税ですので約20%の税金も掛かりません。さらに、受け取る時も税制優遇があるという、3つのメリットがあるので、老後資金を作る王様だと思っております。
つみたてNISAも同様に、運用している間は約20%の税金が掛からないので、非常に老後資金の積立に向いている仕組みだと思いますね。
中野:毎月ちょっとずつ、自分が積立できる範囲でやっていけばいい。それからもう1つ大事なことは、積立をとにかく長く続けること。iDeCoは2022年から65歳未満まで拠出ができるようになります。一方、つみたてNISAは、現在のところ20年の非課税期間があります。だからずっと続けていくことが大事なわけで、これが長期投資ということですね。
50代からiDeCoやつみたてNISAを始めるのは遅い?
井戸:よく50代の方から「iDeCoやつみたてNISAを今から始めるのは遅いのか?」と、聞かれるんですけど、どうですか?
中野:会社員は2022年から、65歳未満まで拠出できることを踏まえれば、例えば55歳だったら10年間はiDeCoに拠出できますよね。また、拠出は65歳未満までとなりますが運用は75歳までできるので、そこから10年間非課税で運用ができます。55歳の人にとっても、時間的な余裕が十分ありますので、これはフル活用してほしいと思います。
井戸:つみたてNISAは年齢に上限がないので、何歳から始めていただいてもいいですね。
中野:iDeCoに参加する資格がなくなっちゃっている方でも、唯一国の非課税制度を活用できるのがつみたてNISAなので、これは50代だろうが60代だろうが、参加したほうがいいと思っています。
井戸:できれば併用がおすすめですよね。でも全く貯金がない方や、生活費の1年程度も貯金がないという方は、できれば最初は普通預金に生活費の1年分くらいはストックしておいて、少しずつ掛金を上げていくのがいいと思います。
――コツコツと積立を続けていくことが、お金を増やすうえでの鉄則ということですね。50代からでは遅すぎると諦めず、まずはできることから始めてみてはいかがでしょうか。また、動画では本記事の内容を詳しくご紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください!
セゾン投信 代表取締役会長CEO 中野 晴啓(なかの・はるひろ)
1987年、株式会社クレディセゾンへ入社。関連会社にて資金運用業務に従事。投資顧問事業の立ち上げ運用責任者としてグループ資金の運用や海外契約資産等の運用アドバイスなどを手がけた後、2006年セゾン投信株式会社を設立。
マネープラン・もらえるお金ガイド 井戸 美枝(いど・みえ)
関西と東京に事務所を持つ、CFP・社会保険労務士。経済エッセイストとしても活動し、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。講演や執筆、テレビ、ラジオなどにも多数出演。