2020年1月から続く日本のコロナ禍も、2022年の1月末で丸2年になります。日々の暮らしが「新しい常態=ニューノーマル」になったように、年末年始の過ごし方においてもフリースタイルになったという妻たちの声を耳にすることが多くなりました。
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そのリアルな声を、筆者が主宰する「恋人・夫婦仲相談所」を利用する妻たちに聞いてみました。
 

夫オンリー帰省をルーチン化してしまう

「帰省地獄が終わりを告げました」というのは美穂子さん(仮名)。

コロナ禍前は東北の日本海側に位置する夫の実家に、大雪の中を苦労して毎年帰省。実家では義父母とその母(夫の祖母)に加えて、義兄夫婦2組(美穂子さんの夫は3男)が勢ぞろいで大宴会をするのが恒例でした。

当然3男の嫁の美穂子さんは宴席の場に座れるはずもなく、台所で長男の嫁に仕切られながら食事や飲み物の支度で立ちっぱなし。自分の食事は台所の片隅で立ったまま、というまさに「令和版おしん」のような地獄のお正月だったそうです。筆者が「そこで“謀反”を起こす勇気はなかったのか」と尋ねると、「地獄とはいえ短期間のことですから、あえて見過ごす方法を取りました。絶縁となると、代々、祟られるような気がして」と言います。美穂子さんはホラー映画ファンでした。

そしてコロナ禍、不幸中の幸いか2021年のお正月は帰省なし。むしろ、「東京からこっちへ来るな」と言われる。そして2022年のお正月も「大祖母がいるので大勢での会食はリスクがある」と、夫だけの帰省で済みました。

「今後のコロナの状況は見通しが立ちませんが、『夫オンリー帰省』で許されることが既成事実となったという意味で、今年は大きな成果がありました。来年以降は、コロナ禍が終わっていたとしても“体調不良”などと言い訳して『夫オンリー帰省』で押し切るつもりです」。
 

老舗企業の玄関磨きを控除されてニッコリ

「広い家の大掃除をしなくてすむようになりました」というのは亜紀さん(仮名)。

100年近く続く老舗の企業を経営している夫家族のところには、コロナ前には年始の挨拶の来客が大勢訪れていたそうです。

古い業界のため、地元の団体の関係者や取引先、協業先、あるいは部下などが年始の挨拶に来て飲み食いしていくのが習慣なので、亜紀さん夫婦は年末に帰省して準備を手伝っていました。

ところがコロナ禍の2年とも年始の挨拶回りは中止。来客のない静かなお正月を過ごせたそうです。

「よかったのは来客がないので大掃除を簡略化し、障子の張替えもやらなくてよかったこと。お義母さんから『きれいな玄関は福を呼び寄せる』と言われて三和土(たたき)もシミひとつないよう磨いていました。

門松の発注やお花を生けるとかいうこまごました用事もしなくていいと言われ、肩の荷が下りました。年末年始は子どもとゲームをしてのんびり過ごしました」。
 

まさかの年末離婚で一人正月

朋美さん(仮名)は昨年11月、夫の浮気をきっかけに8年間の結婚生活に終止符を打ちました。

「もともと、不妊治療に関する意見のすれ違いがあったところに浮気が発覚したので、こちらから相手を切り捨てる形の離婚でした。これで、夫の実家への挨拶もしなくていい。姑は不妊のことで嫌味を言う人だったので、せいせいしました。寂しいよりもスッキリしたという感じ。

それと旧姓に戻った年賀状を出すのも、いろいろ詮索されそうで嫌だなと思っていたんです」

そこで周囲に対して「年賀状はやめて、SNSでお願いします」と宣言。FacebookやTwitterで友人とつながりを深めたそうです。そもそも不妊治療中だった朋美さんにとっては子どもの写真が目につく友人たちの年賀状はあまりうれしくないもの。

「夫、姑、周りの人……本当につながりたい人が見えてきて気持ちが落ち着いた」と笑顔で話してくれました。

そのほかにも、

「初詣をやめたので、年始から人ごみに行かなくて済みました」
「福袋がネット予約できるので、寒い店頭で行列する必要がなくなりました」
「親戚が集まらないので甥、姪へのお年玉をやめることができました」
「老親が訪ねて来ないので、伝統的なおせちは止めて、子どもが喜ぶ洋風おせちを買いました」

などフリースタイルの年末年始に変わった方もたくさんいらっしゃいました。コロナ禍で「できなくなったこと」ばかりに目を向けず、「新しい変化を取り入れて、それを楽しむ」妻たちの柔軟性。帰省地獄、帰省ブルーという概念がなくなる時代の幕開けかもしれません。

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