スマートフォン

スマホ料金の引き下げが相次いだ2021年、モバイル業界を振り返る(3ページ目)

2021年は安価な料金プランが続々投入され大きな話題をさらっただけでなく、2万円台の激安なスマートフォンも急増するなど業界全体での料金引き下げが急速に進んだ年だったといえます。2021年の携帯電話業界を改めて振り返ってみましょう。

佐野 正弘

執筆者:佐野 正弘

携帯電話・スマートフォンガイド

 

2万円台のスマートフォンが急増、一方で超高額モデルも

低価格化が進んだのは料金だけではありません。2021年はスマートフォンも大幅な低価格化が進んだ年だったといえます。そのことを象徴しているのが、性能はあまり高くないものの、2万円前後で購入できる低価格スマートフォンの人気の高まりです。

実際2月には、ソフトバンクがXiaomi製の「Redmi Note 9T」を、FeliCaに対応するなど日本向けのカスタマイズを施しながらも、税抜きで2万円を切る価格を実現したとして大きな話題となりました。ですがよりローエンドの機種に力を入れていたのは、実は国内メーカーです。

というのもKDDIが2022年末に3Gのサービスを終了する予定であるなど、携帯各社の3Gサービス終了時期が近づいていることから、年配層を主体とした3G端末の利用者を4Gや5Gへと移行させるための低価格スマートフォンのニーズが高まっているのです。そこで年配層からの信頼が厚い国内メーカーが低価格のローエンドモデルに力を入れるようになり、人気を高めたのです。
携帯業界2021

2021年の密かなヒットモデルとなったソニーの「Xperia Ace II」。5G非対応でコンパクトサイズの端末ながら、2万2000円という低価格で年配層などを中心に人気を獲得した

ただその一方で、2021年は10万円、20万円といった非常に高額なスマートフォンが相次いで登場した年でもありました。そのことを象徴しているのが「Xperia PRO-I」や「Leitz Phone 1」などカメラや映像のプロ・セミプロに向けたスマートフォンです。高級コンパクトデジタルカメラが搭載している大型のイメージセンサーをスマートフォンに搭載させる一方、20万円近い値付けとなったことでも話題となりました。
携帯業界2021

シャープが開発し、ライカカメラが全面監修したソフトバンクの「Leitz Phone 1」。高級コンパクトデジタルカメラが搭載する1インチのイメージセンサーを備える性能の高さと、20万円近い高額な値段で注目された

また11月にスマートフォンへの新規参入を打ち出して注目されたバルミューダの「BALMUDA Phone」が、同社の思想を貫きハードやソフトに徹底したこだわりを見せた結果、10万円を超える価格となり議論が巻き起こったことで注目されました。これもある意味、高額なスマートフォンが増えた2021年を象徴する動きだったといえます。
携帯業界2021

10万円を超える価格で発表直後から大きな議論を呼んだ「BALMUDA Phone」も、高額なスマートフォンの増加を象徴したモデルのひとつといえる

 
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