Q:専業主婦の妻が死亡したら、夫と子どもは遺族年金を受給できますか?
「専業主婦の妻が死亡したら、夫と子どもは遺族年金を受給できますか? 夫は会社員として働き、妻はずっと夫の扶養で、第3号被保険者です」(夫45歳、妻45歳、子ども10歳)遺族年金について知りたい
A:夫は、子どもが18歳到達年度の末日まで遺族基礎年金が受け取れます
遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があります。遺族基礎年金は、所定の条件を満たした人が、死亡した時に養っている子どもがいると、専業主婦など(厚生年金に未加入)が死亡した場合でも受け取れます。遺族基礎年金は、子どものいる配偶者と、未婚の子どもが受給できます。子どもの定義とは18歳到達年度の末日までの子、または障害等級1級または2級の20歳未満の子です。子どものいる配偶者が遺族基礎年金を受け取っている間や、子と同居(生計を同じく)する父母がいる間は、親が受け取るため、子ども自身には遺族基礎年金は支給されません。
遺族基礎年金を受け取るためには、子どもの要件のほかにも、以下の3つを満たす必要があります。
【1】死亡日の前日において、保険料納付済期間が、国民年金加入期間の3分の2以上あること
【2】亡くなった人が65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に国民年金保険料の未納がないこと(令和8年3月末までの死亡について)
【3】死亡した時の配偶者の年収(相談のケースでは夫の年収)が850万円未満であること
支給される遺族基礎年金額は、次の計算式で算出されます。
令和4年度遺族基礎年金額=77万7800円+子どもの加算額
1人目および2人目の子の加算額は、各22万3800円、3人目以降の子の加算額は各7万4600円です。相談者が受け取れる遺族基礎年金額は、10歳の子どもが1人ですので、
遺族基礎年金額=77万7800円+22万3800円=100万1600円(年額)
となります。なお、子どもが18歳になったの3月31日に到達したとき(子どもが障害等級1級・2級に該当する障害の状態にある場合は20歳に到達したとき)を過ぎると、遺族基礎年金をもらえなくなりますので注意してください。
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監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)