年金・老後のお金クリニック

現役世代の賃金が上がると、高齢者がもらえる年金額も上がるの?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に回答します。今回は、現役世代の賃金と、もらえる年金額の関係についてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

執筆者:All About 編集部

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に回答します。今回は、現役世代の賃金と、もらえる年金額の関係についてです。
 

Q:現役世代の給与が上がると、もらえる年金額も上がりますか?

「年金は、現役世代の年金保険料で成り立っていると聞きます。現役世代の給与が上がれば、高齢者がもらえる年金額もあわせて増加するのでしょうか?」(45歳・会社員)
 

A:必ずしも年金額も増加するとは限りません

老齢年金は、社会的扶養を基本として、高齢者を社会全体で支える仕組みです。現役世代の賃金は年金財源としては重要であるものの、老齢年金を受け取る時の年金給付の財源は、【1】保険料収入+【2】国庫負担+【3】積立金で賄われています。これらの費用の内訳は、人口構成の変化等によって変わってしまいます。現在のように少子高齢化で年金をもらう人が多くなり、働く人が少なくなれば、賃金が上がっても、年金財源となる年金保険料は増えないわけです。

そもそも、年金の給付額は、賃金の伸びや、物価の伸びに応じて改定することが基本ですが、少子高齢化が進んだことにより、年金財政のバランスをとるための制度である「マクロ経済スライド」が平成16年(2004年)に導入され、これも年金受給額の決定に影響を与えます。現役世代の賃金が増えても、一定期間、年金の給付額を増やさないようにして、財源の範囲内で年金の給付を行うという仕組みです。この仕組みにより、実質、年金を受給している人も、年金を一部負担していることになったのです。単純に現役世代の給与が上がっても、年金としてもらえる金額が増えるとは限りません。

【厚生労働省HPの資料】
https://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/zaisei/report/pdf/section5.pdf


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監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)

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