老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に回答します。今回は、年金の給付額を決める際に用いられる「マクロ経済スライド」という仕組みについてです。
 

Q:「マクロ経済スライド」って何?

「年金額を決める際には、マクロ経済スライドという制度が、使われていると聞きました。どんな制度なんでしょうか?」(30代後半・会社員)
 

A:賃金や物価の改定率を調整して、緩やかに年金の給付水準を調整する仕組みです

「マクロ経済スライド」とは、平成16年'(2004年)の年金制度改正で導入されたもので、賃金や物価の改定率を調整して、緩やかに年金の給付水準を調整する仕組みのことです。
 
基本的に、賃金や物価が上昇すると年金受給額も増えますが、これは年金給付の財源は、現役世代からの保険料が主なものであるからです。少子高齢化が進行すると、保険料を負担する現役世代の人数が減り、年金を受け取る高齢者の人数が増加していきます。賃金や物価が上昇して、年金受給額も増やすと、少子高齢化が進むにつれて、多くの年金財源が必要となり、その財源の多くを担っている現役世代の保険料負担が重くのしかかってしまいます。これを防ぐために一定期間、年金給付額を、賃金や物価が上昇するほどは増やさず、緩やかに年金の給付水準を調整し、財源の範囲内で年金の給付を行うという仕組みです。つまり、年金を受給している人も、一部負担しているということになるのです。

具体的には、賃金や物価による改定率から、現役の被保険者の減少と平均余命の伸びに応じて算出した「スライド調整率」を差し引くことによって、年金の給付水準を調整します。「現役世代の人数の変化」と「平均余命の伸びに伴う給付費の増加」をマクロな視点で見て、給付水準を自動的に調整するため「マクロ経済スライド」と名付けられたのです。


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監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)

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