決算書の数字のうち重要性が高いものを知る

決算書と聞くと、なにやら数字がたくさん並んでいて難しそう。そんなイメージがある方も多いと思います。

私は数字が苦手だから。そんな理由をつけて決算書の読み方がわからない。この場合、ご自身の会社の状況もわからないことになります。少なくとも、売上や利益など重要性が高い数字がどうなっているのかは知るべきですし、知っておくことで自社の状況の理解はもちろんのこと、同業他社との比較などにも活用できます。また、株式投資などにも活用可能です。

そこで、今回は超初歩的な決算書の見方について解説します。詳しい数字など突っ込んだ話はしません。決算が好調であった2021年3月期のソフトバンクグループの決算短信をもとに、少なくとも知っておくべき数字部分について解説していきます。
 

売上高、当期利益をまずはおさえること

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2021年3月期のソフトバンクグループ決算短信1ページ目。拡大して見てみましょう

まず、少なくとも毎年の決算書において、売上高と当期利益は確認できるようにしましょう。売上高は、その年度またはその期間中に製品やサービスなどを販売した金額の合計です。ソフトバンクグループの場合、2020年3月期の売上高が5兆2389億円に対し、2021年3月期の売上高は5兆6281億円となっています。
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2021年3月期ソフトバンクグループ決算短信の売上高と当期利益

一般的に、売上高が増加傾向にあれば、その会社の製品などの売れ行きは好調と考えることができます。ただし、売上高を多くすればなんでも良いわけではありません。製品やサービスなどを売ったはよいものの、利益が出ていないと儲かったとはいえませんよね。

そこで、少なくともご覧いただきたいのが当期利益です。当期利益は当期純利益ともいい、その年度またはその期間中に得た最終的な利益です。2020年3月期のソフトバンクの当期利益は△がついています。これは赤字という意味を示します。つまり、マイナス8007億円です。とてつもない赤字だとわかります(ここでは簡単化のために当期包括利益は示さないことにします)。

しかしながら、時期的にコロナ禍の影響が株式市場にも影響し、ソフトバンクグーループが投資する企業の株価状況が芳しくなくなったことが響いたと捉えることができます。

一方、2021年3月期の当期利益は5兆782億円であり、大幅増、過去最高益となっています。コロナ禍の最悪期から株式市況も脱し、むしろポストコロナ禍を見据え経済が復調し投資先の株価も堅調となっていったことが反映された形です。

今回は2期間分のみでの比較を行いましたが、実際には数年の状況を比較し、売上高、当期利益とも中長期的に見て順調といえるかどうかを判断していくことが望ましいです。そのため、一時的な赤字でその会社はダメだなど誤った判断をしないよう注意が必要です。

なお、売上高や当期利益は損益計算書に示されます(決算単信は重要な数字を要約した部分が最初に示されています)。
 

資本部分も確認しよう

次に、その企業の財政状態を示す貸借対照表に記載される資本部分も確認しましょう。資本という場合もあれば純資産と呼ぶ場合もあります。厳密には異なる概念ですが、まずはおおざっぱに資本部分に純資産があると考えてください。

純資産とは、株主が出資した資金やこれまでの蓄積された利益などがもとになったものです。資本部分(純資産部分)を見ることで、その企業の余力がどれぐらいあるか、債務超過になっていないかどうかを確認できます。
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2021年3月期ソフトバンクグループ決算短信の資本合計

ソフトバンクグループの2020年3月期の資本合計は7兆3729億円、2021年3月期の資本合計は11兆9555億円。この資本部分(または純資産部分)が増加していれば、利益が着実につみあがってきている、または増資などにより資金が増加していると捉えられます。一方でマイナスとなっている場合は債務超過を示し、稼げていない状況であり、資産よりも負債の方が多い状況となっていることを示します。

以上、簡単化のために細かい部分は無視して解説しました。少なくとも売上高当期利益資本(純資産部分)をまずは確認できるようにしましょう。最終的には決算書の説明書きも理解でき、その会社の構造が理解できるようになるとむしろ決算書を見ることが楽しくなるかもしれませんね。
 
【出典】
ソフトバンクグループ2021年3月期決算単信〔IFRS〕(連結)
 
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