節約

食品ロスの削減、電気やガス代の節約… 環境にやさしいキッチンで実現する暮らしの中のSDGs

「環境にやさしい」とか「エコ」とかいうと、少しとっつきにくい人もいるかもしれません。でも実は節約になることもたくさんあるのです。今回は最近メディアでもよくとりあげられる「SDGs」について簡単に解説の上、誰でも簡単にできる環境にやさしいキッチンの使い方をご紹介します。

矢野 きくの

執筆者:矢野 きくの

節約・家事・100円ショップガイド

お財布にも環境にもやさしいキッチンの使い方

キッチン

キッチンの使い方次第で節約にも環境にもやさしくすることができる

時間の流れが早く忙しい人が多い現代において、「エコな暮らし」とか「地球環境を考えて」といわれても、「そこまで考える余裕がない」と思われるかたもいるかもしれません。

とくに最近になっては、メディアでも「SDGs」について頻繁に触れられるようになりましたが、どこか自分の暮らしとは関係ないところの話というイメージの人もいるのではないでしょうか。

でも実は、これらのことは実践すると節約にもつながることが多いのです。今回はSDGsとは何なのかを簡単にご紹介しつつ、その中でも暮らしの中で占めるウェイトが多いキッチン周りでできることをご紹介します。
 

持続可能な開発目標「SDGs(エスディージーズ)」とは?

日本語では「持続可能な開発目標」と訳され、国連の加盟国193カ国が2030年までに持続的でよりよい世界を目指す国際目標です。2015年9月の国連サミットで採択されました。

SDGsは17の目標が掲げられていますが、その中でも私たちの暮らしの中で意識しやすいのは、12番目の目標となる「つくる責任 つかう責任」や、13番目の「気候変動に具体的な対策を」になるでしょう。

「つくる責任 つかう責任」は、食品ロスを減らすなどして持続可能な消費と生産のパターンを確保すること。「気候変動に具体的な対策を」は、地球の温暖化や気候変動への影響を軽減することになります。

では具体的に私たちの生活で簡単にできることをご紹介します。
 

お金を出して買った食材を無駄にしている「食品ロス」を削減

せっかくお金を出して買った食材なのに、捨ててしまうという食品ロス。実は日本の食品ロスは年間646万トン(平成27年度推計)で、そのうち約半分にあたる約289万トンが家庭系廃棄物由来なのです。言わずもがなですが、これを無くせば食費の節約にもつながります。

そのためにできることとしては、
  • 買っても冷蔵庫で傷ませてしまいがちな食材は記録し、購入頻度を減らしたりする
  • 冷凍保存など、食材を長く保存できる方法をとる
  • 乾物・缶詰など、長期保存できる食材の割合を増やす
  • 残した料理もリメイクするなどして必ず食べる
があげられます。
 

冷蔵庫の使い方を意識する

毎日24時間365日動き続けている冷蔵庫。使い方によっては、消費電力を大きく減らすことができます。消費電力を減らすことができるということは、電気代の節約につながるのです。

そのためにできることとしては、以下のようなことがあげられます。
  • 冷蔵庫の扉を開ける時間を短くする
冷蔵庫の扉を開けると中の冷気が逃げてしまい、その温度を下げるために電力を消費します。冷蔵庫の中を整理して、食材や調味料ごとに置く場所を固定しておくことで、短時間で取り出せるようになります。
  • 冷蔵庫を適正温度にする
冷蔵庫は冷やしすぎると消費電力も多くなり、食材にも好ましくありません。適正な温度を意識して調整するようにしましょう。
・冷蔵室:1~5度
・冷凍室:-18~-22度
・野菜室:3~7度

 

加熱時間を意識した調理をする

ガス火でもIHでも調理のときの使い方で無駄に加熱しすぎるのを防ぐことができます。

そのためにできることとしては、
  • 余熱調理をする
何かを茹でたいときや煮込みたいとき、火を止めても鍋に蓋をすればすぐに温度が下がるものではありません。食材や鍋の厚みによって時間に差はありますが、本来の加熱時間よりも早く火を止めて蓋をし、余熱調理をすることでガスや電気の消費量を減らすことができます。
鍋に蓋

鍋に蓋をすることで余熱調理ができるものもある

  • 茹でる水の量を減らす
麺類や野菜などを茹でるとき、必要以上に多い水を入れると水道の使用量も増えますし、それを沸騰させるための熱量も増えてしまいます。食材によっては薄手のフライパンを利用すると少量の水と熱量で茹でられるのでおすすめです。

ご紹介したように、簡単にできて環境にやさしいことは、そのままお金の節約にもつながることがたくさんあるのです。キッチンでできることも今回ご紹介した内容はほんの一部です。ぜひいろいろと試してみてください。
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