行動をせずに、思考をすることで、ますます貧乏体質になってしまう?
コロナ禍で気持ちが落ち込み、お金の不安を募らせる人が急増しています。いまだ先の見えない状況のなか、どうすれば前向きな気持ちで過ごすことができるのでしょうか。「自分中心理学」を提唱する人気心理カウンセラーの石原加受子さんが、コロナ禍でも幸せに生きるヒントを全5回にわたってアドバイスします。貧乏体質にはまりこむのは自分自身の考え方が原因?
――オールアバウトで家計についてアンケート調査を実施したところ、コメントで一番多かったのは、やはり収入減に関する悩みでした。先行きの見えない状況で家計や暮らしの不安が高まっているようです。
石原加受子さん: 仕事が減ったり、リストラにあったり、商売が立ち行かなくなって危機感を覚えている人など、多くの人がお金の不安を抱えている状況ですよね。コロナ禍が長引いて、いつ終息するかも分からないし、今までのように人に会えない。先が見えないこんな状態ですから不安になって当たり前です。ただ、大事なのは、不安になるかどうかは、自分の選択次第だということ。
――「自分自身が不安になることを選択している」ということでしょうか……?
石原さん:同じ状況にかかわらず、不安が強い人がいれば、そうでもない人もいますよね。いったい何が違うのかというと、不安が強い人というのは、頭のなかで非生産的な思いが膨らみすぎているんです。いわば、自分自身で過剰に不安を膨らませている状態。考えている間は、何も行動に移していないわけですから、さらに不安が募ります。
もし今、悲観的になって落ち込んだり、心が不安定になったり、体に支障が出ているのなら、非生産的な思いが広がりすぎているということ。要するに、「思考にとらわれている状態」です。
不安や恐れ、怒りなどのネガティブな思考をすれば、ネガティブな感情が生まれます。思考が感情を作るんです。自分自身がネガティブな思考を選ぶことで、感情もネガティブになって気持ちが落ち込んでいく。すると、実際の自分の生活からどんどんかけ離れてしまいます。実態は、まだそこまで深刻ではないのに、ネガティブな思考をすることで悲観的になって、それが本物だと勘違いしてしまうんです。
――なぜそうなってしまうのですか?
石原さん:思考にはまってしまう背景には、「行動するのが怖い」という気持ちが隠れています。頭で考えることでなんとか解決しようとすればするほど、思考の沼にはまってしまう。そうなると、さらに行動できなくなって、解決には向かいません。ですから、この思考のループをいったん止めること、思考にはまらないようにすることが、とっても大事なんですよ。
――ネガティブな思考のループから脱出するには、どうすればいいのでしょう?
石原さん:まずは、自分がネガティブな思考にはまりこんでいると自覚すること。今、不安にのみ込まれそうになっていたり、気持ちが落ち込んでいる人は、「私は今、思考にはまってしまって、現実以上に深刻に考えているのかもしれないな」と気づくだけでも随分変わってきます。思考にストップをかけられるのは、自分だけですから。
ネガティブな思考の沼から抜け出すことができると、「じゃあ自分にできることは何だろう」と、改善する方向へと意識が向きます。その上で具体的なところに焦点を当てていくことが大切です。
★第2回『「不安が消えない」人がお金持ち体質に変わる心の作り方』に続きます
教えてくれたのは……
石原 加受子(いしはら かずこ)さん
心理カウンセラー。「自分中心心理学」を提唱する心理相談研究所「オールイズワン」代表。心理学校メンタルヘルス学会会員、厚生労働省認定「健康生きがいづくり」アドバイザー。独自の心理学で性格や対人関係、親子関係などの改善を目指すセミナー、カウンセリングを続け、老若男女にアドバイスを行う。『「また断れなかった…」がなくなる本』『感情はコントロールしなくていい』などのベストセラーを含めて150冊以上の書籍を執筆。
取材・文/西尾英子
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