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冷蔵庫は大きいほど電気代が安いってホント? 震災に備えてローリングストック視点で一つ大きめの冷蔵庫を買おう

冷蔵庫は大きいほど電気代が安くなるという、嘘みたいな本当の話を知ってますか? 私たちの生活になくてはならない冷蔵庫。余裕があるうちに、ローリングストック視点で、機能や性能、サイズ、デザインなどをよく吟味しながら購入しましょう。

滝田 勝紀

執筆者:滝田 勝紀

家電ガイド

東日本大震災から既に10年以上が経ちました。とはいえ、地震調査研究推進本部の調査によると、南海トラフでマグニチュード8~9クラスの巨大地震が、今後30年で起きる確率は70~80%という衝撃的なデータが報告されています。つまり、巨大地震は、ほぼ間違いなく起こる!と考えておいたほうが良さそうです。

参考:南海トラフで地震発生確率は70~80%(地震調査研究推進本部地震調査委員会「長期評価による地震発生確率値の更新について」から資料PDF、3ページ右上表、33ページ表を参照)

とはいえ、日々の生活に追われている現代人。意識して防災に備えるというのは、口では言えても、実際なかなか難しいもの。でしたら、いつもよりひとまわり大きな冷蔵庫を購入して、自然と防災用の食材備蓄に利用するというのはいかがでしょうか?
震災に備えて、ひとまわり大きな冷蔵庫を購入してみませんか?

震災に備えて、ひとまわり大きな冷蔵庫を購入してみませんか?

ローリングストック方式とは?

ローリングストック方式という言葉はご存じでしょうか? ローリングストック方式とは、保存食を特別に備蓄するのではなく、日常の中に食料備蓄を取り込むという考え方を指します。日常的に少し多めに食材や加工品などを買い置きして、使った分だけ新しく買い足し続けることで、常に一定量の食材を家に備蓄しておくというやり方です。

食料を一定量に保ちながら、消費と購入を繰り返し、備蓄品の鮮度も保ち続けられるということで、いざというときにも日常生活に近い食生活が送れる可能性が高いというわけです。つまり、その考え方を日々使う冷蔵庫を中心に考えることで、誰もが自然と食糧備蓄を実践できるのではないでしょうか?

冷蔵庫は日常的に食材を保管しておく場所。ということは、その中にあらかじめ緊急用の食材を入れておき、いざというときにはそこから取り出すということは、既に身についている生活習慣の延長線上にあるということで、非常に効果的なやり方だと筆者は考えます。
 

一般家庭で必要な冷蔵庫の容量は?

一般社団法人日本電機工業会によると、冷蔵庫の容量の目安として、3人家族であれば430~480L、4人家族で500~550Lを使用することを推奨しています。もともと10年くらい使用することも考慮すると、冷蔵庫はライフステージの変化をあらかじめ予測して大小購入することをお勧めしますが、ローリングストック方式視点の場合、ライフステージに限らず、家族が一人多くなったと想定して、ひとまわり大きめな冷蔵庫を選ぶことをおすすめします。

通常大きな冷蔵庫を購入すると、どうしても上段部分などに手が届きにくいので、いわゆるデッドスペースが発生しやすくなります。その部分にあまり使わない食材など追いやって、ついつい賞味期限が過ぎてしまって食品ロスに繋がるものです。あえてその辺りをローリングストックエリアとしてフォーカスし、食材を意識して保管することで、冷蔵庫をより賢く使用することにも繋がるのです。

冷蔵庫は通常24時間365日通電し続ける家電であり、家庭内において最も電気代がかかる家電としても知られています。しかも家庭内の家電で一番大きく、スペースを取るものです。だからこそ、最大限使用しないと損です。さらに製造年が10年違うと電気代も大きく異なります。少しくらい高価だと思っても、思い切って買い替えることで、5~10年と使用することで元が取れる可能性も高いのです。

参考:家庭内における機器別エネルギー消費量の内訳(資源エネルギー庁・トップランナー基準の現状等について、出所:PDF19ページグラフを参照)
 

知ってた? 冷蔵庫は大きいほど電気代が安くなる

また、実は冷蔵庫は大きいほどに電気代が安くなるという、嘘みたいな本当の話を知っていますか? それについては、いくつか理由があるのです。

かつてのほとんど冷蔵庫、もしくは現在でも小型の安価な冷蔵庫というのは、モーターを一定の回転数とパワーでしか駆動できませんでした。外気が寒くても暑くても、庫内の食材の量や温度など関係なく、庫内をとにかく一定の力で冷やし続けることしかできませんでした。

しかし、最新の大容量冷蔵庫はほぼインバーター制御。それによりモーターの回転数を自在にコントロールすることが可能になって、そこまで冷さなくても規定の温度に庫内をキープできる時は、ほとんど稼働してません。つまり、扉の開閉や冷蔵庫内の温度に合わせて運転できるため、冷却具合に合わせて効率的に稼働でき、高い省エネ効果を期待できるのです。

参考:電気冷蔵庫年間消費電力量の推移(kWh/年)、2016年・2017年の定格内容積別比較(省エネ性能カタログ夏版・冬版の単純平均値 出所:省エネ性能カタログ52ページグラフを参照)

また、小型の冷蔵庫と比べ、大容量冷蔵庫ほど庫内の空間も大きいため、庫内の温度をより長く保てるように性能が良い真空断熱材が使われていることもその要因です。冷蔵庫内の隙間の差も消費電力の差に繋がります。大型の冷蔵庫は隙間をキープした上で、食材を入れられるのに対して、小型の冷蔵庫は、容積に余裕がないため、食材をどうしても詰め込むことになります。冷蔵庫内に隙間がないと冷気が庫内に効率良く広がらず、自ずと運用効率が落ちる点も見逃せません。
 

冷蔵庫は余裕があるうちに購入しよう

もしかしたら、壊れてもいない冷蔵庫をわざわざ買い替えるのは……とためらってしまう人も多いかもしれません。でも、日常生活になくてはならない冷蔵庫は、壊れてから急遽買い換えるのでは遅いのです。庫内の食品をダメにするだけではありません。

緊急事態だからととりあえず購入するものとしては、高価すぎる家電ですし、それが冷蔵庫が安くなり始める8月から9月くらいに重なるとも限りません。しかもそんな価格だけでなんとなく使用する冷蔵庫を10年近く使うこと自体、ストレスだと思いませんか?

ですから、なんとなく余裕があるうちに、ローリングストック視点で、機能や性能、サイズ、デザインなどをよく吟味しながら購入しましょう。
 
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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