カーボンプレートによる最高のトースターが登場!
食パンを焼くための道具、いわゆるトースターは、いつの間にか、とてもたくさんの種類のものが発売されています。そして、食パン屋さんに行列ができるのも当たり前になって、いつからそんなに皆、パンが好きになったんだろうと思うのですが、小学生の頃から朝はパンで、ホテルに泊まっても朝は洋食を選んでいる私としては、うれしい時代になったなあと思うのです。その私が、今、最も気に入っているどころか、これで焼いたパンなら朝昼夜食べたいと思っているのが、旭工業の「Sumi Toaster」(税込1万1000円)です。見た目は、真っ黒なただのプレートのようなものなので、価格もちょっと高いように感じられますが、このトースター、カーボン(炭素)の塊を削り出して作ったもので、いわば炭でできた調理器。つまり、これで焼けば、何でも炭火焼きのような、遠赤外線効果でふっくらとおいしくでき上がってしまうのです。
予熱2分、片面2分、ひっくり返して1分待てば至福の味に
使い方はとても簡単。まず、プレートをコンロに乗せて、中火で2分程度温めます。この予熱によって、トースターの中に十分な遠赤外線が発生するわけです。そこに食パンを入れて1分から2分ほど焼いたらひっくり返して、もう片面を1分から1分半焼けば、おいしいトーストが完成します。焼き加減を確かめながら焼けるので、好みに合わせた焼き方が簡単にできることも、気に入っているポイントです。お手入れも簡単。フッ素加工されているので焦げ付きにくく、中性洗剤と柔らかいスポンジでさっと洗うだけでキレイになります。コンパクトなので、キッチンで場所を取らないのもうれしいですね。
耳までおいしく食べられる絶品トースト
肝心の味ですが、私個人の感想としては、外はサクッと、中は熱々でふっくら、という感じです。そして、何よりパンの耳の部分が、絶妙に香ばしく、しかもサックリと焼けるので、とてもおいしいのです。今までにいろいろと、パンがおいしく焼けるオーブントースターや網焼きなども試しましたが、少なくとも、耳の仕上がりは、文句なしにナンバーワン。あとは、好みにもよると思うのですが、最近の高級オーブントースターのように水分を足すことなく、パンの中の水分を遠赤外線で温める方式なので、もともとおいしい食パンほど、そのパンの実力が発揮されるように思いました。
もちろん、リーズナブルな食パンもしっかりおいしく焼けるのですが、そのパンが持つポテンシャルを最大限発揮するように焼けるトースターという印象なのです。例えば、焼き立てのパンのおいしさに近い感じに加えて、少し焦げ目が付いて、香ばしさやサクサク感がプラスされるといえば伝わるでしょうか。
バタートーストからコロッケの温め直しまで幅広く活躍
耳がおいしく焼けるということはつまり……と思い、バゲットを切って平らに並べて焼いたらこれが絶品。ひっくり返す前にバターを乗せて、ひっくり返してバター焼きにすると、これがもう、何ともたまらないおいしさ。この方法はバタートーストを作る時にも使えます。何といっても、バターの塗りにくさや、塗っている間に冷めてしまうことなく、しかも、サクサク感も損なわずにバタートーストが作れるのです。それはうれしいですよ。
ほかにも、コロッケの温め直しや、カセットコンロに乗せて、バゲットにチーズを乗せたり、ハムなどを炙ったりしてツマミ作り。焼くのにちょっとコツは要りますが、クロワッサンもうまくバターが回って、とてもおいしく焼けました。
ただ、この「Sumi Toaster」、製造が大変難しく、常に品薄状態が続いています。もちろん、限定品ではないので待てば手に入るでしょう。地味ですが相当な名品ですので、たくさんの方に試してもらいたいです。