「孤独」の癒やし方がわからない

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リモートワークが進んでいる企業では、2週間に1度程度の出社ですむところもあるようだ。そんな中、独身、ひとり暮らしの人たちは孤独に陥りがち。そこに男女の差はないと思うが、今回はアラフォー女性たちに話を聞いてみた。

 

人と会って話すのが好き

「外に出るのが好き、おしゃべりが好き」と、自他ともに認める社交的な性格のアヤカさん(38歳)。現在、出社は2週に1度ほどだ。

「部屋は狭いワンルーム。コロナ禍以前は、残業したり同僚や友人と食事に行ったりジムに通ったりして、帰宅すると寝るだけという生活だったので部屋が狭いことなど気にはならなかったんですが、リモートワークになってから、ずっと狭い部屋にいるとときどき気が滅入ってくるんです」

早起きして散歩してから仕事にとりかかるようにしたが、それでも鬱々とした気分は晴れない。

「実家の両親は『帰ってくるな』と言うから、今年の正月もひとりで部屋にいました。たまに友だちには会いましたが、実は知り合いがコロナで重症化したこともあって、その話を聞いているだけに怖くて。私自身もあまり外出する気になれなかった」

1年半前までは長くつきあっている恋人がいた。結婚を考えていたのだが、コロナ禍直前にさまざまなすれ違いが発覚して別れた。

「彼が結婚相手に期待しているのは、家を居心地よい場所にすること、自分を励ましてくれること、おいしい料理を作ってくれること。究極はその3つだったんですよね。手を携えて一緒に歩いていくという感覚が欠けていた。私だって、同じことを結婚相手に求めたいですよ。そう言ったら『だって女の人は男を立ててナンボでしょ』とキレ気味になっていました。そんな彼に幻滅。でもコロナ禍になってから、あんな彼でもつきあっていればよかったかなあと気弱になってばかりで……」

 

リモート飲みやクラブハウスもなじめず

昨年、日本で自ら命を絶った女性は、一昨年(2019年)に比べて15%増えた。経済的にも精神的にもコロナウイルスの影響が大きかったのではないだろうか。

「ひとりの夜、身も心も寂しいと思うことが多くなりました。20代だったら、まだ若いから耐えられるかもしれない。でも、私、もうじき40歳ですからね。結婚もままならないし、恋人もいない。同じ状況でも、もう少し出社できている人は大変だけど話す人がいる。世界でいちばん孤独かもしれないと思うこともあります」

友人たちとのリモート飲みには何度か参加した。その場で話が盛り上がっても、実際に友人の熱量が実感できないことが、むしろ寂しさを倍増させた。「いつか会おうね」と言ってスマホの電源を落とすと、どっと疲れたという。

今年に入ってからは新しい音声SNSのクラブハウスにも登録してみた。

「知り合いが立てたルームに入ってみたけど、なんとなくなじめなかった。顔が見えずに声だけというのは、相手が本当はどう思っているかわからないし、有名人ならともかく、私みたいなただの会社員が部屋を立てても誰も来てくれないし……」

誰かと一緒に部屋を立てて、こじんまりと知り合いだけで話すこともできるのだが、アヤカさんはだらだらと話していることができなくなるという。

「リアルな飲み会だって、別に目的があるわけじゃないけど、みんなでワイワイ話して、時間が来たら、またねって別れて。なんというかメリハリがあるじゃないですか。でもクラブハウスにはそれがない。だったら本を読んでいるほうが勉強になる。改めて英語の勉強はしているんですが、ふと気づくと2、3日、人と話してないなあ、と。そんなとき全身が震えるくらい怖くなります」

人と話すことは、確かに重要なのだと思う。自分の気持ちが整理されたり、頭をフル回転させてわかってもらおうとしたりする。そして少しでもわかりあえたと思えるときの喜びもある。人は人と触れあってこそ生かされる。とはいえ、この状況ではむずかしいのだとしたら、そこを埋める何かを持つしかないのではないだろうか。

「思わず婚活しようとマッチングアプリに登録もしたんですが、リアルで会ったことのない人にはどうやって恋愛感情をもったらいいのかもわかりませんでした」

それでも年度末になって、アヤカさんの出社が週1、2度に変更されてから心身ともに少しずつ元気を取り戻しているような気がするとつぶやいた。

「ひとりで映画を観にいってみたり、感染対策をしながら外に出る機会を増やしています。それでも孤独感はなくならないけど、高校時代から仲良くしている友人がLINEで『家族がいたって孤独だよ』と言っていたんです。彼女は夫婦関係で悩んでいるので……。私がこんなふうに孤独感を覚えなければ、彼女の気持ちも考えてあげられなかった。友だちと会ってゆっくり話せる日がくることを信じて、今はひとりでがんばってみようと思っています。気持ちが不安定なので、また明日になるともうダメと思うかもしれないけど」

誰もが揺れているし、誰もが不安定なのだと思う。どうやって踏ん張れるか、ひとりで寂しかったらどんな方法でも誰かとつながったほうがいい。SNSで知らない人のひと言に励まされることもあるのだから。
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