わからないでもない、突然の大胆さ

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ドラマ『恋する母たち』(TBS系)で、夫に迫られた蒲原まり(仲里依紗)が、すぐ翌日に、まだ男女の関係になかった今昔亭丸太郎(阿部サダヲ)に自ら迫るシーンが話題を呼んだ。

「万が一のとき、どちらの子だかわからなくするため」かもしれないが、いざとなってDNA鑑定をすればすぐにわかること。だが、自分の気持ちを安心させるためなのか、こうした「よくわからないけど、なんとなくわかるような大胆行動をとる女性」はときどきいる。

 

自分でも不可解な行動

「そういうことってありますよね。というか、ありました、私にも」

笑いながらそう話すのは、アヤさん(44歳)だ。結婚して15年、ふたりの子がいるが、5年ほど前、夫との関係がこじれて苦悩していた。

「今はいろいろ話し合って落ち着いたんですが、当時、夫と口げんかになってもうどうしようもなくなり、私、家を飛び出したことがあるんです」

通勤用のバッグを持って深夜に家出をしたのだ。すでに終電はなかったし、電車に乗ってどこかに行きたいわけでもなかったが、衝動的にタクシーを止めた。

「そしてなぜかタクシーの運転手さんに『海が見えるところにお願いします』って言っちゃったんです」

不審がる運転手さんに、「じゃあ、横浜でいいです」とアヤさんは告げた。さらに横浜に住む男友だちにメールを送った。

「今から会えない?」

今思えば、「平常心ではなかった」と言うが、そのときは気持ちをわかってくれる男友だちに会いたくてたまらなかった。

「彼、バツイチでひとり暮らしだったので来てくれました。タクシー代が都内の自宅近くから2万円もかかっちゃったんですが、そのときは私の心の危機だった」

男友だちと港の光を見ながら、何も話さず時間を過ごした。季節は冬。だんだん体が凍りついてきて、彼の車で彼の部屋へ。

「私から誘っちゃいました。彼は拒否していたんですが、『してくれないなら友だちやめる!』と脅して(笑)。人助けだと思ってやれと命じたんです」

その後、彼は車を運転して自宅付近まで送ってくれたという。

「自分でも何をやってるんだ、と思いました。自宅に入ると夫が寝ずに待っていて。私の顔を見ると『無事でよかった』とひと言。当時、本当にケンカが多くてもう夫婦を続けていけないと思っていたんですが、私のほうも夫のひと言でちょっと救われて。いや、それ以前に男友だちに救われましたが」

その男友だちとは今も、友だちのまま。たった1回の過ちについてはふたりとも蒸し返すこともない。
 

夫の大事にしているものを……

夫の浮気がわかり、怒り心頭に発したのはマミさん(40歳)。

「私は結婚する気がなかったのに、夫の猛アプローチに負けて結婚したんです。それでいて浮気だなんて、もう絶対に許せないと思った。夫はひたすら謝っていたけど、私は離婚まで視野に入れていました」

ただ、7歳と4歳の子どもたちは大のパパッ子。マミさんの顔色をうかがっておとなしくしている夫に「パパ、どうしたの?」「風邪ひいたの?」としきりに話しかける。上の子は「またママに怒られたの?」とまで言い出す始末。

「それを見ていたら、離婚すると子どもたちがかわいそうだなとは思いました。でも一向に腹立たしさがおさまらない。それで、夫が大事にしていた大リーグのカードなどを売り払ってしまいました」

それがいい値段で売れたのだという。

「貴重なものもあったんですかね。全部で5万円くらいになったのでバッグを買って、子どもたちの好きなケーキも買って。黙っていたら悪いかなと思って、夫にはその日、言いました」

焦った夫は引き出しを確認、呆然としていたという。

「私、夫婦でも他人だから礼儀正しくしましょうねというタイプなんですよ、本当は。だけどあのときは、こんなことをしたら夫に悪いかななんて思いもしなかった。夫の傷つくことをしてやろうと思って。自分にそんな邪悪なところがあることを知って、ちょっと嫌な気分にはなりましたが、それもまた夫がいけないんだと転化して……」

ただ、そうやって思いのままに行動したからこそ、離婚に至らずにすんだのだとマミさんは考えている。そういうふうに夫にも伝えた。夫はうなだれたまま「わかった」と言ったそうだ。

「あれから1年たちますが、なんとなく夫婦間は元に戻りつつあるかな。夫とふたりのときは浮気者と言ってからかっています。もやもやをため込むとよくないから。でも言われ続ける夫はどう思っているのか……。ま、身から出た錆ですからね」

次回は絶対に離婚、二度と子どもにも会わせないとマミさんは夫を脅し続けているという。
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