Go Toトラベルキャンペーンを活かしたいと考える自治体、宿泊業、観光業の皆様へ。在日外国人の集客方法を、インバウンド業務を担当している4人の外国人に考えてもらいました。

タイ、台湾、アメリカ、中国、4か国の在日外国人の興味関心から消費行動まで知ろう。どんな観光スポットが好きか? 旅行の予算はどれぐらい? どうやって情報を収集する? そして、具体的に在日外国人向けの集客方法のヒントまで提案していきます。ご参考できれば嬉しいです。

各言語の担当者
ラチャ:All About Japan タイ語 編集リーダー(タイ出身)
呉:All About Japan 繁体字 編集リーダー(台湾出身)
ニック:All About Japan 英語 編集リーダー(アメリカ出身)
王:All About Japan 簡体字 編集リーダー(中国出身)

 

 

在日外国人に聞いた、好きな国内観光スポット

地図
 

ラチャ(タイ):「長く日本にいる在日タイ人はリピーターより日本観光の知識が深くなり、外国から来る人とは興味が全然違います。日本にいる労働者なら、刺激のある絶景のスポットなどより、リラックスできる温泉郷も行きたくなります。例えば、日本人と同じく、自分の都市から近い温泉郷だけでも十分と思っている人はいるでしょう。東京在住なら箱根や草津温泉。大阪在住なら城崎温泉や有馬温泉。

でも好きなアクティビティはあまり変わらない。タイ人は体を動かすスポーツ系または自分の手を動かす物作り体験系はあまり関心がない傾向があります。これは長く日本に住んでいても簡単に変わらない。日本在住が長くなるほど、考え方は日本に近くなる。訪日外国人の定番ではないスポットでも行きたくなる。これはどの国籍でも同じだと考えられます」

呉(台湾):『外国人雇用状況の届出状況』により日本在住の外国人労働者は約166万人。日本のインバウンド市場を拡大する故に、元から存在していた在日外国人消費市場がなかなか重視されていなかったが、新型コロナウイルスをきっかけにこれからやっと確立されることが予想されます。同じ台湾人であっても趣味嗜好がそれぞれ、具体的に好きな観光スポットはひと言では言えませんが、在日台湾人へのアプローチにおいて、『自分にとって価値がある体験』『人の感情を揺さぶるコンテンツ』『非日常の特別感をリーズナブルに』の三つのキーワードが挙げられます」
 
ニック(アメリカ):「この三か月以上、皆自粛していますのでどちらの国籍でもどこかへ行きたいのではないでしょうか(笑)。このGo To トラベルキャンペーンについて在日アメリカ人の友達と話し合った時、普通は大人気なスポットはオーバーツーリズムのせいであまり行きたくないけど、この間そんなに人数が多くはないかもしれないのでそこに行ってゆっくり観光したいようです(京都とか)」
 
王(中国):「在日中国人の場合、やはり自然を満喫したい人が多いですね。和紙制作のような文化体験や、美術館・博物館などの施設より、大自然と密着してほしいという声が多くあります。新型コロナウイルスの影響で、自宅を飽きた人々は、人がたくさん集らない『外』の世界で絶景を見ながら、リラックスしたいです。また、絶叫マシンを楽しみに遊園地に行きたい人も多いです。それはもともとジェットコースターが好きで、今年のストレスを発散したい人たちです。

お土産についてほぼ考えていないです。実用性があるものや、そこしか買えないものと出会ったら、買います。これも中国からの観光客と違うところで、なぜなら中国からの観光客にとって、日本でショッピングをするのは訪日の重要な一環ですから」

 

在日外国人に聞いた、国内旅行の予算、スケジュール、宿泊、交通 

プランナー
 

ラチャ(タイ):「安いもの大好きタイ人ですが、日本に長くいれば消費行動も日本人のようになります。日本の新卒はタイの新卒の4倍ぐらいの収入ができる。日本在住のタイ人も収入基準が普通のタイ人より高く、旅行する際にはもっと払えます。『2019年の訪日外国人旅行消費額』により、訪日タイ人の1回の平均旅行支出は13万円、平均泊数は8.8泊。そのため一人当たりの1泊の支出は1万5000円ぐらいです。日本在住ならそれより高いと考えられる。

泊数はもちろん海外からの人より短くなります。労働者であれば日本人と同じく土日だけの1泊2日、または有休を使って2泊3日にする場合も多い。と言っても良い週末を過ごしたいので、なるべく良い宿泊を選ぶ傾向があります。ビジネスホテルよりは温泉旅館。

交通機関は、残念ながら新幹線の利用がより少なくなります。外国人が使える全国のJRが乗り放題『Japan Rail Pass』は長期日本在住外国人が使えないため、訪日外国人と比べると新幹線の利用が望ましくなくなる。その代わりに、訪日タイ人があまり使わない高速バスと夜行バスも検討します」

呉(台湾):「日本在住の外国人にとって、言葉の壁が少ないため、事前に行程を立てなくても、実際現地にて地方の情報誌、チラシを入手し、その場で旅程をアレンジする方は少なくはない。実際旅に出るきっかけについて、最も重要なのは宿泊であることを改めて気づきました。また、偶然に出会った1枚のポスターも行き先が変わる影響力を持っているため、良質なコンテンツ企画を発信する時に、ビジュアルデザインもキャッチコピーと同じく大事だと思います」
 
ニック(アメリカ):「旅行する予算はたぶん国籍より給料次第かなと思います。一般的な社会人の方はバジェットトラベル(低予算の旅)を優先し、ユースホステルやビジネスホテルで泊まり、新幹線より高速バスなどを利用する傾向があります。その上で自由時間がありますので旅行するならより長く旅行しますよね。IT系などはお金より時間を大事にしますので新幹線や電車で交通して、和食付の旅館などにしますが、1泊2日、比較的に短い旅行をします」
 
王(中国):「在日中国人たちは2~3日の旅行を計画している人が多いです。なるべく公共交通機関を避けて、ドライブ旅をしたいからです。新型コロナウイルスの影響で、公共施設に対する不安の気持ちが残り、自分で環境をコントロールできる車が安心感があります。そして、今住んでいる地域と近い観光スポットを優先に選びます。宿泊施設については、ウイルス対策を徹底的に取り込んでいるホテルや、規模が大きくない旅館などが人気です。宿泊施設を利用したくない、日帰り旅行をしたい声もあります」

 

在日外国人に聞いた、国内旅行する際の情報収集と予約手段 

スマホ
 

ラチャ(タイ):「第1弾の情報収集によく使われるのはタイ人大好き媒体のFacebookに違いありません。日本に長くいても変わらず世界最大のSNSを利用します。Facebookにあるタイ語の日本観光情報を発信している様々な『ページ』からは一番簡単です。Facebookから情報収集して、実際に宿泊などを予約するにはFacebookではなく予約サイトです。長く日本にいても、日本語が読めても、日本語のサイトを使う必要が無ければ使いません。ホテルならタイ人の定番は東南アジアで人気のある宿泊予約サイト『Agoda』です。飛行機もタイ語サポートが充実の航空券予約サイト『Traveloka』または世界的の『Skyscanner』を利用する人はとても多い」

呉(台湾):「旅の目的地がない時にInstagram、FacebookなどのSNSにて、自分に関心のあるキーワードの検索でヒントを得るパターンが一般的ですが、一部旅慣れた方がよくじゃらんや一休.comなどの宿泊予約サイトを利用し、泊まりたい宿を見つかったら、『衝動的に旅に出たい』のケースもあります。同じインバウンドに関わるメディアの編集者友人も自分と同様に業界のプレスリリースや、Googleのトレンドキーワードを常に把握し、ライフスタイルマガジン『自遊人』などの雑誌もよく手にとります。また、より日本人のリアルの声を知りたい時に、Twitterも重要な情報収集源となっています」
 
ニック(アメリカ):「ビックリすることはないですが、情報収集に関してGoogleを利用する人は多いです。でも最初の疑問、『どこに行けばいいのか』とかを考えれば、知り合いや友達の意見、口コミ情報を聞いたりするのがすごく大事です。そのためSNSも参考になりますね。予約は多言語対応でネットでできれば(Booking.comとか)利用者範囲が広がりますね」
 
王(中国):「情報収集のルートについてはGoogleを利用する人が多いです。Googleで検索し、その検索結果から自分の好きな情報や気になるサイトを選びます。旅行雑誌を言及したことがないため、旅行雑誌を読むか在日中国人の友達に聞いてみたら、回答は例外なく『読まない』でした。予約サービスについて『楽天トラベル』を利用する人が多いです。情報収集の段階は様々な予約サイトを参考しますが、実際に予約を行う際に『楽天トラベル』を使う人が多い。やはり予約サイトの決め手は値段です」

 

Go To トラベルキャンペーンを活用した在日外国人の集客方法

Go To トラベルキャンペーンにより、在日外国人の国内旅行消費は少なくても復活していくと考えられます。海外からの訪日外国人が戻るのはまだ先です。まずは在日外国人を集客してみましょう。

でも、どうやって施策を考えれば良いのか、まだ具体的なイメージが付かない。そんな場合は下記の、各国籍の担当者が考えた簡単な集客方法の例をヒントにしてみてください。

 

さて、在日タイ人向けの集客方法を考えよう

Go To トラベルキャンペーンの有無にかかわらず、タイ人の国民性にアピールできる集客方法を考えてみました。例えば「施設のFacebookのページの投稿をシェアしてくれると温泉宿泊の割引券がもらえる」。こう言うようなキャンペーンは、温泉好き、割引好き、毎日Facebookを利用しているタイ人に響くでしょう。その基本が満たせば残りは「安全安心」のことを伝えます。例えば施設は消毒したり、スタッフがちゃんとソーシャルディスタンスしたりすることを書いておけば十分だと思います。

 

次は在日台湾人向けの集客方法を考えよう

Withコロナの時代に、個人的に旅行者と旅先が最低限の予防措置が徹底されることであれば、すぐにも応援したいという気持ちが強いです。しかし、周りの在日台湾人が「気持ち的に応援したいけれど、日本国内の新型コロナウイルス感染、収束の兆しが見えないことに対して時期尚早と懸念する」の声も上がっている。そのため、日本在住の外国人にも安心感を与える対策の実効性をいち早く見せるべきでしょう。

 

在日アメリカ人向けの集客方法も考えよう

アメリカ人を集客するためには、多言語の媒体が必要だと思います。内容は、ここに行って何ができるのか、このサービスを使って割引がもらえるのか、など。まずはそのような情報を具体的に発信しないといけないと思います。

そして、アメリカにいるアメリカ人向けのプロモーションと同じような媒体は使えないと思います。日本国内にいるアメリカ人向けの媒体を利用しましょう。例えば「日本在住」や「英語利用者」のような設定ができるSNSの広告宣伝を利用する。

 

最後は、在日中国人向けの集客方法を考えよう

在日中国人は旅行情報の好みが簡単です。説明はなるべく読みやすくて、理解しやすい内容のほうがいいです。

どのような内容にするかと言うと「三安」を覚えておきましょう。まずは中国人の消費者にとっては「安い」ものが好きです。でも「安い」が感じられるのは「ポイント還元」や「税率軽減」などではなく、単純に「値引き」がほしいです(笑)。そしてこの時代は「安全」と「安心」のことが大事です。新型コロナウイルス対策がちゃんとできた観光スポットであることが伝わるようにしてください。以上は「三安」の施策でした。

 

執筆者:ラチャ(All About Japan タイ語 編集リーダー)

 

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