セックスしたくない人は、しなくても問題ない?
セックスしたくない人は、しなくても問題ない?
私自身は、「セックスは高級美容液である」と考えています。女性ホルモンが増えるということでなく、承認欲が満たされ、女性としての自信が継続できるのです。
かねてより、「女性の40代は性に対するスタンスが二極化する」とお話ししてきた私ですが、最近は「セックスレスでは肌がきれいになれませんか」「しない状態が続くと、更年期がひどくなるんでしょうか」というご相談をよくいただきます。そこで今回は「セックスをしないままだとどんな影響があるか」についてお話ししましょう。
Q. 仲良しだけど子作り以来ずっとレス……このままだと老ける?
「たぶん、最後にしたのは今7歳の娘を授かった時かな。その後、妊娠中から産後含めてきれいさっぱり何もありません」と笑ったのは美果さん(仮名・39歳)。
「もともと、結婚前に付き合っていた彼氏が夜になると超俺様な人で、とにかく自分勝手。雑誌なのかAVなのか知りませんが、激しくすれば女性が絶頂に達すると思い込んでいる人でした。愛撫もキスも、とにかくすべてが雑。『痛いから、もっと優しくして』と言っても、『感じないのはお前が不感症だからじゃないの?』と言い放たれて……。もちろん、速攻で別れました」
その彼と別れて、結婚したのが今の夫なのだそう。前の彼でマッチョな人に懲りていた美果さんが選んだのは、おっとりとした優しい男性。
「夫はのんびりしていて、いつも穏やかな人です。私の身体を優しく丁寧に扱ってくれますが、淡泊で、そもそも興味があまりないようで、娘を授かった時も『そろそろ子ども欲しいよね』って私が言って。『そうだね。じゃ、しようか』みたいな」
一人娘を囲んで仲良し3人家族。だんな様とは手を繋いだり、ハグしたり。軽いキスもするそうですが、それ以上のことは求めることも求められることもないそう。
「周りのママ友を見ていると、40歳近くなってくると個人差が大きいですよね。体型とか白髪とか、おばさん化が激しい人もいれば、30代前半のころのままでつやつやお肌の人もいる。周囲と性的な話をすることはないのですが、セックスしてる人は身体も若いのかなぁなんて、ちょっと不安になったりします」
Q. 更年期の症状が……! レス状態と関係はある?
「まだ生理も普通にあるのに、更年期みたいな症状がもう来ちゃってます」というのは佳美さん(仮名・45歳)。
「最近イライラするし、涙もろいし、眠りが浅くてだるいし。過労かなぁって思っていたら、仕事中に、急にうわーっと汗をかいて。あ、これがいわゆるホットフラッシュなんだって思いました。生理はまだあるけれど、もう更年期なのかと結構ショックでした。10年以上セックスレスのまま、もう抱かれることなく終わっちゃうんだなぁって」
産後セックスレスになった30代前半は、何とか夫婦関係を復活させようと何度も夫と話し合いをしたという佳美さん。
「何で抱いてくれないの!?」と夫を責めて泣き、その日は夫も仕方なくしてくれたものの、根本的な問題は先送り。またしばらくして佳美さんがキレて夫を責めて、泣いて、仕方なく………という状態を繰り返すうちに、いつしか泣いても夫はなにもしてくれなくなったそう。まさにセックスレスが改善できない典型例を繰り返すうちに、佳美さんの方が諦めてしまったのだそう。
「45歳で更年期だなんて、早いですよね? 周囲のママ友はみんなまだなのに。セックスレスだから女性ホルモンが出なくて更年期が早まったんでしょうか? やっぱり身体に良くないんでしょうか?」
レスと更年期に「直接の関係」はないけれど……
お医者様によれば、セックスと更年期に直接の関係はないそうです。女性ホルモンの減少は加齢が主な原因で、セックスをしていれば女性ホルモンが減らない、ということもありません。セックスの有無よりも日々の生活に対する幸福感や安心感などがメンタル面に影響し、それがホルモンバランスに影響を与えることは考えられます。例えば、もし夫婦の間にセックスがあったとしても、それが妻にとって苦痛なだけであれば精神面ではマイナス効果です。逆にセックスレスでも前半に出てきた美果さんのように、パートナーへの愛情や安心感があるならば、精神面ではプラスでしょう。
前述したように、パートナーとのセックスによって承認欲を満たされることで得られる満足感、幸福感は精神面にとてもプラスですから、セックスがある人はそれを今後も大切にしてください。
もしパートナーとセックスレスで、なおかつその状態に満足していないのであれば、レスの改善に向けてアクションを起こすことも大事ですが、別の方法で、自分が幸福感や満足度を感じられるようになることも大事にしてください。
最近では、とってもおしゃれなセルフプレジャーグッズもあります。セックスレスなライフタイルを悲観するばかりではなく、ポジティブに捉えていきましょう。
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