3日間にわたり繋がりにくい状態に
9月中の故障だけでこれだけあった。(NTT東日本のサイトより) |
2006年9月19日~21日の3日間にわたり、NTT東日本地域のひかり電話から発信される通話が大変つながりにくくなったことは各メディアで報じられたのでご存じの方も多いと思います。筆者の会社では、ひかり電話を販売する立場でもあるため、しばらく前から利用していました。電話回線はもちろん、FAX回線もひかり電話に変更していたのですが、例に漏れず、筆者も件のトラブルに巻き込まれました。
電話、FAXともに発信しても話し中になることが多く、リダイヤルしても「回線が混み合っているためかかりにくくなっています」というアナウンスが流れたりで通じませんでした。これはチケット販売の受付番号など、大変混み合っている電話回線に発生しやすい輻輳(ふくそう)という状態ですが、他の通常回線やIP電話回線ではすぐかかるため、混雑による輻輳とは違うおかしな状況でした。
「また、ひかり電話かな?」という直感は間違っていませんでした。3日間にわたる不具合の原因は、その後の調査でプログラムミスだったことが発覚。「新システムのもろさを露呈した」とマスコミがこぞってバッシングしました。
不具合は以前からあった!
ですが、実はひかり電話の不具合は今に始まったことではありません。NTT東日本のWEBサイトにも一部あるように、それ以前からトラブルは発生し続けていたのです。
私の会社では、LANにひかり電話のIP電話対応機器を収容し、ひかり電話を使い始めた頃から不具合が発生していました。NTT東日本からも技術者を派遣してもらい、徹底的に原因を調査しましたが結局はっきりした原因はわからず、他の機器との「相性」が原因かもしれないということで調査を終えざるを得ませんでした。
その後、IP電話対応機器を新型にし、相性が悪かったルーターを交換し、不具合は収まりましたが、左記の調査の課程で、NTT東西がレンタル製品としてしばらく前まで使用していた旧型のIP電話対応機器には、構造上の欠陥があることがわかりました。この欠陥はある特定の状況でひかり電話が使えなくなるというもので、現在レンタルで出荷している製品は対処済みのものなので、同様の不具合は発生しないようです。
端末の問題だけでなく、ひかり電話のネットワークやサーバーでも過去に様々な原因で、ひかり電話に不具合が発生しています。筆者も以前から取材を重ねていましたが、NTT東日本が様々なトラブルに悩まされていたことは最近始まったことではないのです。