“今、私は何を食べたいのか”としっかり自分に問いかける
「収入アップしたいなら、自己肯定感を高めることが大事です」と言うのは、心理カウンセラーの石原加受子さん。ランチタイムを使って簡単にできるプチレッスンを教えてもらいました。(第2回『イヤな仕事を辞められない・収入が上がらない理由は「心のクセ」にあった』から続きます)安いから注文するのではなく、自分の本当に食べたいものを味わうこと
――前回、自己肯定感を高めることが、収入アップにつながるという話を伺いました。
石原加受子さん: 自己肯定感や自己評価が低いと、“未来は自分で切り開ける”という自信が持てませんから、責任を取るのも怖いし、人に委ねがちになります。単価の高い仕事というのは、責任も伴いますから、自分が変わらない限り、収入も上がらないということになってしまう。前回ブラック企業で文句を言いながらも辞めない人の心情についてお話ししましたが、まさしくそれです。
――思考停止してしまうわけですね。自己肯定感を高めるのに、良い方法はありますか?
石原さん:日常の中で、簡単にできる方法として有効なのが、食事のメニューを自分で決めることです。そんなの当たり前だと思うかもしれませんが、案外、「~さんと同じもので……」とか「適当に日替わりランチでいいや」といった決め方をしていませんか?
そうではなくて、“今、私は何を食べたいのか”としっかり自分に問いかけて、真剣に選んでみるんです。そして、料理に集中してしっかり味わう。スマホを見ながら食べるのはダメ。“やっぱりあっちにすればよかった”とか“Bセットのほうが、お得だったかも”と、余計なことを考えないことです。ランチ時にこの練習を繰り返すだけでも、自分で決める力が養われていくんです。
――コスパについては、みな敏感ですし、「どっちがトク?」を基準にジャッジしてしまうことも多いですよね。
500円のランチを食べている人は、600円や700円のメニューを選んで少し背伸びをすること
石原さん:損得で物事を考えすぎると、自分の心が本当に求めるものが見えなくなってしまいます。目先のメリットではなく、金額的には損をしたとしても、自分が納得して選んだものに対して満足感を得られれば、心はすごく満たされます。コスパがよくても、自分にとってなんだかしっくりこないものは、心が喜びませんから、幸せを感じられない。ランチタイムを活用し、収入をアップさせるための方法をもうひとつお教えします。それは、「いつものランチの予算を上げる」ことです。500円のランチを食べている人なら、600円や700円のメニューを選んで少し背伸びをしてください。すると人は、“700円のランチを食べる自分”に見合った行動をしようと考えるようになるんです。
――とはいえ、収入が上がっていない段階で、ランチの予算を上げるのは勇気がいります。単に、浪費グセがついて、お金だけが減っていくということになりませんか?
石原さん:そこが、人間の潜在意識のすごさであり、面白さです。自分で「こうしよう!」と決めたら、それに近づこうという意識が働いて、行動につながっていくんですね。700円のランチを躊躇せずに払える自分になろうと、心のスイッチが入る。それにより、“では、今より稼ぐためには何が必要?”“どんな勉強をすればいい?”“どこに行く?”とアンテナが張りめぐらされていきます。
何も、500円のランチを食べている人に、2000円のランチを食べましょうと言っているわけではありません。まずは、今より少し上。だんだんそれに慣れていきます。これは理屈ではないので、ぜひやってみてもらいたいですね。
★第4回「「惨めな老後を送りたくない」と必死になるほど、望まない老後に近づく!?」に続きます
教えてくれたのは……
石原 加受子(いしはら かずこ)さん
心理カウンセラー。「自分中心心理学」を提唱する心理相談研究所「オールイズワン」代表。心理学校メンタルヘルス学会会員、厚生労働省認定「健康生きがいづくり」アドバイザー。独自の心理学で性格や対人関係、親子関係などの改善を目指すセミナー、カウンセリングを28年以上続け、老若男女にアドバイスを行う。『誰にも言えない「さみしさ」がすっきり消える本』『「あの人とうまく話せない」がなくなる本』『「自己肯定感」の高め方 「自分に厳しい人」ほど自分を傷つける』などのベストセラーも。
取材・文/西尾英子
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