子どもをお金持ちにする方法とは?
子どもをお金持ちにする最も確実な方法は、あなた自身が倹約家になることです。1万人以上の富裕層を調査したトマス・J・スタンリー氏は、著書(1)の中で、「億万長者の両親の多くが倹約家である」ことを発見しました。子どもは親の姿を見て育ちます。あなたが浪費家ならば、あなたの子どもも浪費家になるでしょう。お金持ちの子が散財し、遺産を使い果たしてしまった例は枚挙に暇がありません。
ちなみに、子どもに倹約をしつけるときは、「算数」の勉強を手伝うのが効果的です。ロスアンデス大学の研究(2)によれば、「計算能力の高い人は、資産を貯めやすい」「計算能力の低い人は、資産を浪費しやすい」といった結果が得られています。
また、イタリアのヴェローナ大学の研究(3)によると、子どもに貯金を教えるには、「お小遣いをあげるだけではなく、貯金のアドバイスや、お金の使いみちなどをコントロールしてあげるとよい」ことがわかっています。
子どもをお金持ちにする最重要ポイントは……
最重要ポイントは、「子どもの自制心を育む」ことです。「将来のために今ガマンする」ことができる人ほど、お金持ちになれます。逆に、自制心が崩壊するようなしつけをすれば、彼らは瞬く間に貧乏街道まっしぐらでしょう。「たくさんお小遣いを与える」のは逆効果です。スタンリー氏の調査では、経済援助を受ければ受けるほど、子どもは貧乏になりやすいことが判明しました。お金持ちになれない人ほど、大人になってからも親からお金の面で甘やかされているのです。
「たくさん遺産を与えたい」
「車を買ってやりたい」
「家をプレゼントしたい」
親が子どもの経済状況を心配する気持ちはわかりますが、これらは完全にやり過ぎです。大学への学費などを除いて、甘やかすほど子どもは貧乏になりますから、お金の与え過ぎには注意しましょう。
たとえ、あなたが経済援助をしなくても、あなたの親戚が経済援助をしていれば、それがガンになります。甘やかす経路を全て断ち、お子さんの自制心を上手に育みましょう。
自制心を育てることが、お金持ちへの最短ルート!
「そんなことを言っても、やっぱり甘やかしたい!」と思う方もいるでしょう。では、そんな方に質問です。あなたは、親からもらったお金、あるいは親戚からもらったお金のうち、いくらを生産的に使いましたか?おそらく大半の方は、「おもちゃを買った」「欲しい服を買った」「ゲームを買った」「ローンの返済に充てた(そもそもお金持ちは、借金などしません)」といった使い方をしているのではないでしょうか。
親が子どもに与えるお金は、その大半が「浪費」されます。だから、お金を与えれば与えるほど、子どもは「浪費癖」が強まります。子どもたちを本気で幸せにしたいと願うなら、彼らの自制心を育む手助けをしましょう。これが、彼らがお金持ちになる唯一の近道です。
【参考文献】
- 書籍:トマス・J・スタンリー, ウィリアム・D・ダンコ, 2013, 『となりの億万長者 成功を生む7つの法則(早川書房)』
- 論文:Catalina Estrada-Mejia, Marieke de Vries and Marchel Zeelenberg, 2016, “Numeracy and wealth”, Journal of Economic Psychology, 54, pp. 53-63
- 論文:Alessandro Bucciol and Marcella Veronesi, 2014, “Teaching children to save: What is the best strategy for lifetime savings?”, Journal of Economic Psychology, 45, pp. 1-17